語学留学したい!でも留学するには具体的にどんな準備が必要なの?そんな疑問にお答えするために、留学を決めてから実際の渡航までの流れと準備のポイントについてまとめてみました。渡航してから困らないために、準備は時間をかけてしっかりと進めて行きましょう。
留学準備のステップ
語学留学をしたいと思ったら、滞在先を決め、学校を選び、学校にアプリケーションを送り、ビザの申請をしたりと、やるべきことはたくさんあります。この準備は、人任せにしないで、自分自身でよく調べ、納得して行うことが、留学を成功させる一つのポイントとなります。
但し、自分で調べて、よくわからないことをそのままにしておくことは良くないことです。現地に直接メールで問い合わせたり、エージェントを上手に利用したりして、しっかりと下調べを進めましょう。
ここでは、留学に必要な準備について、6つのステップに分け、順を追って考えていきます。
1.学校選びのポイント
場所はどこで、どんな学校を選ぶのか。これがまず最初に考えることだと思います。もちろん予算との関係もありますが、例えば、この場所のこの学校で半年間学ぶには、どのくらいの費用を準備しておけばいいのかを具体的に知ることも、目標に向かってお金を貯めていくモチベーションにもなるでしょう。
自分に合う学校について考えてみる
世界中に語学学校はたくさんあります。たくさんの学校の中から一校に絞ることはとても難しいことです。漠然と学校探しを始める前に、自分が落ち着いて学べる、自分に合った環境とはどんな環境なのかについて考えてみましょう。せっかく留学するのだから、と何でも欲張ってしまいたくなりますが、少し冷静に自分を分析してみることから始めてみて下さい。憧れの土地の憧れの学校が必ずしも自分に合っているとは限りません。
性格
- 人見知りせず、誰とでも打ち解けて仲良くなれる
- 大勢でワイワイ騒ぐのが好きだ
例えば、このような人は、ある程度大規模の学校で、友達と賑やかに楽しみながら勉強できる学校が向いているかもしれません。
- 人見知りで、気の合う数人の友達と過ごす方が落ち着ける
この様な人は、学生同士が顔見知りになりやすい小規模学校がいいでしょう。
学習環境
- とにかく英語学習に集中したい
例えば、英語しか使ってはいけないなどのルールが厳しく、語学学習に集中できる学校もあります。
- 英語力に自信がない
レベル分けが細かく初心者向けのクラスが充実している学校なら安心でしょう。
- 語学半分、バカンス半分で楽しみたい
授業数が少なく、フリータイムやアクティビティが多い学校はいかがでしょうか。
目的に応じたプロブラムとレベル設定
語学留学を目的としている場合は、あまり当てはまらないかもしれませんが、ビジネス英語を学びたい、試験対策英語を学びたいなどの希望がある場合は、自分の希望に合うコースがあるかどうかもポイントになります。
現在の自分のレベルを確認し、留学期間中にどのレベルまで到達したいのかという目標も設定し、プログラムやレベルを確認しましょう。
例えば、語学とアートを学びたい、語学と音楽を学びたいなど、探してみると様々な学校があります。
留学期間
どのくらいの期間の留学を考えているのかによっても、選べる学校が違ってきます。学校によっては短期の2週間~1ヶ月程度から受講できるクラスもありますが、ある程度の語学力を身につけるのであれば、最低でも3ヶ月。できれば半年~1年程度は留学を継続したいものです。
それでも、仕事の都合上2週間がやっとという人もいるでしょう。短期で試してみて、続けられそうなら思い切って1年に挑戦したいと思う人もいるかもしれません。
数週間の短期なら、学習とアクティビティを楽しむような体験重視になりますし、3ヶ月の場合は、留学生活にも英語にも自信がついてきた頃に帰国となってしまうでしょう。
留学開始時期
月初めから入学できる学校、短期の場合は週初めから入学できる学校、ある程度長期のコースで入学時期が決められている学校など様々ですので、具体的な渡航時期も考えながら学校選びをする必要があります。
希望する滞在方法
滞在方法としては、ホームステイか寮が一般的です。語学学校で紹介してもらえるので、希望や予算に応じて考えましょう。寮の場合、都心から離れていると、車がないと外出が難しい場合もありますので、立地もよく確認して下さい。
滞在先については、初めての海外語学留学。行き先はどこにしますか?6ヶ国を調べましたも参考にして下さい。
学費で選ばない
かけられる費用は個人によりまちまちで、もちろん費用と相談しなければならないのが現実ですが、学校を選ぶ時は、学費が安いからという理由だけで選ばないで下さい。安いからには安いなりの理由があります。人件費が削られサービスが十分でなかったり、受講できるコースが少なかったり、設備が悪かったり、先生の数が少ないなども考えられます。
でも、安い学校=悪い学校とは言えないので、自分のやりたいこと、学習環境などをよく調べ、他校との比較などもしてみることをお勧めします。
教育水準を満たしている認定をしっかりした機関から受けているかどうかも基準になります。例えばアメリカならACCETやCEA、オーストラリアならTEQSAやASQAなどが公的な保証機関です。各国の大使館のページの留学情報などから調べることができます。
具体的な学校選び
語学学校には、大学付属型、大学のキャンパスで受講できる私立学校、都心に学校を構える私立学校などがあります。キャンパスでの受講なら、大学の設備を利用できたり、大学の授業の聴講ができる場合もあるなどのメリットがあります。都市部の語学学校なら、外出やショッピングなどにも出かけやすいので海外生活を満喫できます。
学校を探し始める前に、上記のようなことを具体的に考え、どのような学校を希望するのか、予め絞り込んでから学校探しを始めるとスムーズです。語学学校の場合は、正しい手続きを踏めば入学が認められる場合がほとんどですが、学校によっては入学基準がある場合もあるので、よく確認しましょう。
各エージェントで紹介している学校を参考にしても構いませんが、公的な認定機関のホームページから認定校を探すこともできますし、各国が公的に留学生のための情報を日本語で提供しているホームページもあるので、そのようなものを利用すると学校検索のページへのリンクにもたどり着けるでしょう。例えば、アメリカの場合は下記のようなサイトがあります。各校のページには比較的詳しい情報が載っています。
Intensive English Language Programs in the US | Intensive English USA
希望する滞在場所から検索するのが簡単です。何校か候補を絞ったら、各校のホームページで詳細を確認します。詳しいコースの内容や時間、学費、留学生の出身国の割合、学校の規模、滞在方法などについて知ることができます。辞書を使って、学校の特徴やアピールポイントなども丁寧に読んでみましょう。
その学校を好きになることも大切ですね。
2.エージェント選びと活用方法
自分で調べると言っても、やはり英語での情報だけでは、大切なことを100%理解できていないのではないか、現地で困った時どうしたらいいの?という不安もあるはずです。
留学手続きを手伝ってくれる有料エージェントと無料エージェントについて説明します。
有料エージェント
有料のエージェントは、手数料を支払う分、留学生本人の負担を減らすべく、様々なサポートをしてくれます。留学生はエージェントの指示に従い最低限の手続きをするだけで渡航まで行くつくことができるでしょう。
自分で調べなくても、わからないことは質問すれば答えてくれます。手数料以外に、現地でのサポート料やビザ申請代金、保険の代行手続き、空港から学校までの送迎などの費用などがかかります。初めての海外で不安な人や、海外に出す子供を心配する親は安心できるでしょう。
但し、必ずしもトラブルがないわけではありません。エージェントによって金額も違いますし、数十万円の手数料を払ったのに十分なサービスが受けられなかったり、カウンセラーとの相性が悪く誤解が生じてしまったりすることもあります。また、自分自身で充分に下調べをしていないことで、想像と違っていた、ということもあるかもしれません。
代金を支払う以上、何社かに直接相談し、信頼できるエージェントを選ぶべきです。日本でのサポートに満足しても、現地でのサポートは他社が引き継ぐ場合もあるので、現地でのサポート環境についてもしっかり確認して下さい。現地に行ってからも日本の担当カウンセラーがメールで対応する場合もあります。必要なサービスと不要なサービスを見極めることも大切です。
無料エージェント
無料でサービスを提供しているエージェントもあります。無料でサービスを提供できるのは、学校から学生紹介の謝礼がもらえるからです。現地にあるエージェントの場合が多く、その場合は留学前のサポートはメールのやりとりになります。ただ、現地に拠点があれば、留学先についての情報量は多く、現地を良く知っているカウンセラーに相談に乗ってもらえます。
但し、当然のことながら有料エージェントほどの至れり尽くせりのサービスはなく、出来ることは自分でやるスタンスでいた方がいいでしょう。エージェントにもよりますが、問い合わせについてもスピーディな対応とはいかないかもしれません。
インターネットを利用する
今の時代、インターネット上でたくさんのエージェントを探せます。様々なエージェントのホームページを読むだけでも、現地の情報や留学の心得、注意点など、情報を得ることができます。
例えば、下記のようなホームページでは、年代別、目的別に留学プログラムを探すことができます。
https://www.york-global.jp/
EFのように世界中に拠点をおき、長年に渡り、言語習得や国際交流に関わるプログラムを提供している企業もあります。
http://www.efjapan.co.jp/
また、エージェントのページでは学校検索できる場合が多いので、そういったページから情報を得た上で、学校のホームページで最終的な確認をするなど、お金をかけなくてもかなりの情報を得ることができる時代です。
学校について、入学申請に必要な書類、ビザ申請方法についてなど、お金を出してエージェントにお願いする手続きのほとんどは、その気になればインターネットで得ることのできる情報を元に自分で行うことも可能です。
学校のメールアドレスに問い合わせのメールを送れば、返信ももらえるでしょう。これを機会に英語のメールの書き方を学び、英作文に挑戦してみるのも第一歩です。
もちろん安全が第一です。安易に考えてはいけませんが、エージェントにサポートをお願いしても、自分で何もわかっていないと自分で自分を危険にさらしてしまうこともあります。自分の安全確保を第一に、どこに費用をかけるべきなのかを自分なりに考え、エージェントを有効活用しましょう。
3.留学費用の準備
3つ目のステップというより、留学を考え始めたら留学費用を貯めるなり、借りるなりして準備しなければなりません。
留学にかかる費用は、学費、滞在費、生活費、保険、渡航費、ビザ、その他必要に応じてパスポート取得やアクティビティ参加費、旅行代、お小遣いなどが加わります。
国、学校によっても違いますが、語学留学の場合の学費、滞在費、生活費のおおよその目安は、3ヶ月で50万円~100万円、半年で150万円~250万円と言われています。
また、海外の医療費は高額です。クレジットカードに付帯している保険もありますが、内容をよく確認し、海外保険に加入しておくことをお勧めします。学校で義務づけられている場合がほとんどだと思います。
国やビザの種類によっては、条件付きで現地でのアルバイトが認められている場合もありますが、現地の生活に慣れるまでは、なかなかアルバイトまでの余裕は持てませんし、現地で稼ぐお金をあてにすることはできません。国によっては、学費も含め、滞在に十分な預金等がある証明書を提出しなければなりません。
数百万円単位のお金が必要になりますので、計画的にお金の準備も進めましょう。
4.語学学校への出願
出発時期と学校が決まったら、いよいよ出願です。語学学校の場合は、比較的スムーズに進むと思います。
自分で出願する場合、学校のホームページからも手続きを開始できますし、自分で学校を検索して出願できる無料サイトもあります。
ApplyESLは、アメリカ、カナダ、イギリスの学校にオンラインで入学手続きができるサイトです。手数料もかかりません。
ApplyESL.com – Choose your ESL school online. Do-It-Yourself ESL Applications now.
サイトから直接学校に出願すると学校よりメールで連絡が来ますので、指示に従い書類を準備することで、手続きを完了できます。
寮やホームステイなどの滞在方法についても学校で申し込める場合がほとんどなので、届いた書類や申し込み用紙をよく確認して手続きを行ってください。
エージェントを利用した場合はエージェントが代行してくれます。
5.ビザの申請
パスポートの期限を確認し、必要な場合はパスポートの申請を行ってください。国によって滞在予定期間より長いパスポートの期限が必要となりますので、確認が必要です。
パスポートは申請してもその場ですぐに発行してもらえるものではありませんので、時間に余裕を持って行います。
語学学校に進学する場合、通常学生ビザが必要になります。用意する書類は申請する国によって違いますので、よく確認して不備の無いように準備します。不備があった場合、ビザがおりず、申請し直しになかったり、必要以上に時間がかかってしまうこともあるので、十分に時間に余裕をもって申請手続きを開始することをお勧めします。
例えば、アメリカとイギリスでは下記のようなビザがあります。
アメリカの場合、語学学校にしっかり通おうと思ったら、たとえ短期であっても「学生ビザ」を取得することになります。申請手数料は2017年6月現在18,400円です。面接は大使館や領事館で行われますので、遠方の人は交通費もかかります。週の授業時間と滞在期間によってはビザを取らずにESTAだけでも入国可能な場合もあります。
イギリスへの半年未満の留学の場合は、入国時に空港で短期学生ビザを取得できます。予め面接を受けたりする必要がないので、条件に合っていれば空港で取得するのが簡単な方法です。半年以上、11ヶ月までの場合は事前にビザを取得する必要があります。このビザは英語力証明の必要がない英語学習者のためのビザになります。
ビザが必要、必要でない、取得のための必要書類、そのビザで出来ることとできないこと、国よって違います。しっかり調べて確認し、間違いのないように取得して下さい。
6.渡航準備
入学申請、滞在先の確保、パスポート、ビザの準備が出来たら、いよいよ渡航の準備です。滞在国までの航空券は、シーズンによっても価格がだいぶ変わりますので、できるだけお得なチケットを取りたいものです。海外保険の加入も忘れてはいけません。
海外でのお金の管理
多額の現金を持っていくのは危険です。滞在期間にもよりますが、ある程度の現地通貨を準備したら、クレジットカードを利用するのが便利です。海外ではクレジットカードでの買い物が主流ですし、ATMでお金を引き出すことも可能です。ただし、利用制限額を越えてしまうと使えない場合があるので注意してください。クレジットカードが複数枚あると安心です。
海外で利用できるキャッシュカードやプリペイドカードなどを作ることもできます。利用できるATMが近くにあるかどうかも調べておきましょう。
持っていく物の準備
パスポート、ビザ、入学許可証、海外保険証、クレジットカード、航空券は絶対に忘れないように注意してください。
通信機器
パソコン、スマートフォン、wifiなどの通信機器は日本から準備していった方がスムーズです。学習にパソコンが役立つ場合も多いでしょう。但し、盗難には十分に注意してください。
衣類
現地の気候に合わせた衣類を準備しましょう。現地でも購入できるので、あまり大量に持っていく必要はありませんが、夏でも羽織れるものは1枚入れておくことをお勧めします。日本では、ブランド品を身につけている学生もいますが、海外の学生の服装、持ち物はシンプルなものです。高級品や派手な服装、露出の激しい服装は、犯罪に巻き込まれないようにするという視点からも避けた方が無難です。
生活必需品
現地で調達できますが、消耗品は滞在場所に慣れるまでの数週間程度分があると安心です。ドライヤーや髭剃りなどは電圧にも注意が必要です。眼鏡、コンタクトも予備があると安心ですね。
文房具
語学学校に通うのですから、文房具も忘れてはいけません。日本の文房具のように質の良い物は海外では簡単には手に入りません。消せるボールペンなどは外国人にウケますので、日本の面白い文房具などが友達作りに役立つかもしれませんよ。
今は辞書アプリなどもありますが、電子辞書も現地ではなかなか手に入らないので、持っていく場合は日本で準備しましょう。
その他、常備薬や傘、化粧品などの細々したものなど、海外では手に入りにくい物は必要に応じで日本から持っていきましょう。ホームステイの場合はホストファミリーへのお土産も持っていきたいですね。
あまり荷物を重たくしてしまうと、移動するのも大変です。現地での調達も考えて、取捨選択して上手にパッキングして下さい。
まとめ
いかがでしたか?少し具体的に考えられましたか?
留学は学校選びを始めた時から始まっています。下準備をしっかりすることで、渡航後の生活にスムーズに入ることができます。現地に行ってみると、言葉の壁もあり、精神的にも疲れるものです。困ることや戸惑うことがたくさん起こるのは当たり前のことです。情報を得ることで回避できることは回避するに越したことはありません。余計なことで悩まないためにも下調べを十分に行ってください。
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