ホストファミリーとは【心構えから受け入れ方法までを丁寧に解説】

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ホストファミリーという言葉は皆さんご存知でしょう。学生時代に学校主催の1~2週間程度の海外研修に参加し、週末は現地のホストファミリーの家にお世話になったという経験のある人も、結構いるかもしれません。

この記事では、日本に居ながら海外文化や外国語を身近に感じる一つの方法として、受け入れてもらう側ではなく、留学生を受け入れ、お世話するホストファミリーについて紹介します。

ホストファミリーとは

ホストファミリーとは留学生を家族の一員として受け入れる家庭のことです。
高校生の交換留学から大学生、社会人まで、様々な留学スタイルがありますので、ホストファミリーも様々な受け入れ方があります。

日本では余っている部屋があるお宅も少なく、ホストファミリーとして海外の人を受け入れるのは、まだまだ抵抗がある人が多いでことしょう。実際に、常にホストファミリーは足りない状況です。楽しいことばかりではありませんし、相手がいることなので、お互いに理解しあう努力をしながら生活しなければなりません。

安易に受け入れを勧めることはできませんが、思い切って挑戦してみると、外国語を身近に感じ、海外文化や考え方の違い、外国人のことばかりでなく、私たち日本人の特徴なども実感として感じることができるでしょう。本当のファミリーのように仲良くなり、生涯付き合いが続く素晴らしい出会いになることも多くあります。

楽しいこと、いいことばかりでなく、大変な点にも目を向け、それを乗り越えるからこそ絆が生まれるという視点から、自分の経験談も踏まえ、ホストファミリーについて紹介していこうと思います。

ホストファミリーの受け入れ期間

受け入れ期間は、各留学プログラムによって違います。一般的には下記のような例が挙げられます。

  • 日本の高校や大学に通う学生を受け入れる場合、日本語学習で日本語学校に通う学生を受け入れる場合は数ヶ月~1年、2年
  • 夏休みだけの短期留学などの場合は数週間から1ヶ月
  • 週末だけの体験型

ホストファミリーはボランティア

ホストファミリーは基本的にボランティアだと思ってください。
今は民泊というスタイルもありますし、ビジネスライクに外国人に部屋を貸すスタイルもありますが、これはホストファミリーとは違います。ここでは、留学生の世話をするホストとしての受け入れについてお話しています。

家庭事情もあり、こういったボランティアが一般的でない日本では、ボランティアで1年間も他人の面倒をみるなんて理解できない!信じられない!という人は多いかもしれません。だから、お金目当てだとか、子守りをさせられる、農作業を手伝わされる、というような観点からの話が聞かれるのかもしれません。

基本的には無償でホストファミリーを引き受けることになります。受け入れ条件によって、1日数千円程度支払ってくれる場合もありますが、ホストファミリーになったら、基本3食(場合によっては2食)、光熱費、トイレットペーパーなど生活必需品代を負担することになります。数千円は補助にはなっても報酬にはなり得ません。ホストファミリーとして報酬を得るという発想は基本的に持たないでください。

ホスト側の金銭的負担は?

基本ボランティアですので、金銭的負担は全くないとは言えません。やり方はホストファミリー次第です。

お話したように、通常、食事と光熱費などはホストファミリーの負担です。色々サービスしてあげたくなるかもしれませんが、無理はしないで下さい。最初に何でも、こちらが負担する習慣をつけてしまうと、それを変更しにくくなります。

負担が大きくなれば、こちらも次第に「やってあげたのにお礼も言ってくれない」というような気持ちになってしまうものです。何でも負担してもらうのが当たり前のようになり、こちらは外出費を全部負担しているのに、留学生は自分のお小遣いで大量のお土産を買い込むようになってしまったら、ホストファミリーとしてもいい気分はしません。

食生活はどうする?

食事の内容も、自分たちの食習慣を変える必要もありません。ベジタリアンやアレルギーなど、特別の配慮が必要な場合は、事前に知らされるのが通常です。無理な場合は受け入れを断って構いません。食事は通常の家庭の食事を1人前プラスすることになります。好き嫌いなどはできる範囲で配慮してあげればいいでしょう。特別な食事を用意する必要は全くありません。

我が家の場合、食間にスナック菓子を食べる習慣はありません。ケーキなどのスイーツも滅多に食べません。ですので、最初におやつを食べる習慣はないから、食べたい場合は、自分で、コンビニなどで買ってくるのは自由だと伝えました。但し、食事に影響のない程度にしてほしいことも言いました。

ソーダ水が好きだったので、買い物に行った時に、気が付けば1リットル100円程度のボトルを買っておいてあげたり、たまには、コンビニの大福を「トライしてみる?」と勧めて買ってあげたり、負担にならない程度に、「あなたのことも考えているよ♪」というアピールはさりげなくするように心がけました。デザートを欲しがるからと言って、毎日ケーキを買っていては持ちません。

お寿司屋さんに連れていかなくても、キュウリでかっぱ巻きなどを、家庭で酢飯から一緒に作ってみるだけでも楽しいものです。

我が家の場合は、ダンスが好きな留学生だったので、娘たちがお世話になっているモダンバレエ教室にお願いして、同世代の学生たちのクラスに飛び入り参加をさせてもらったり、夏だったので、浴衣を着せて地元のお寺の盆踊りに連れて行ったり、お金をかけなくても、たくさんのことを楽しめました。

金銭感覚は留学生によって様々

金銭的な負担は、長くなればなるほど、シビアな問題になります。また、やってくる留学生によって、裕福な家庭から来ている学生、自分でアルバイトして留学費用を貯めて来たから、余計なことに使うお金はないという学生、色々です。

交遊費用や交通費は基本的に留学生の負担になります。旅行に行く時も、こちらが負担してでも連れていきたい場合は留学生も喜ぶでしょうが、留学生に費用を負担してもらうこともできます。負担したくなければ、その間他のファミリーに預かってもらうなどして留守番してもらうことでも構いません。気の毒なような気もしますが、ベースの部分で人間関係を築いていれば、それも仕方のないことです。長く預かる場合は、少し離れることでお互いリフレッシュできる場合もありますので、遠慮はいりません。

最初は張り切って、サービスをしてしまうことがあるかもしれませんが、預かる期間によって、最初にどのような対応をするのか、よく考えておくことをお勧めします。とにかく無理をしないことが、結果的にお互い快適に生活するために一番大切なことだと思います。

最初に遠慮したり気遣いし過ぎたりすることがないよう、金銭負担についてのルールも、後でお互いに嫌な思いをしないためにストレートに伝えるようにしましょう。

留学生はお客様ではなく家族の一員

やってくる留学生は、高校生や大学生ばかりでなく、留学スタイルによっては社会人や年配の人の場合もあります。どんな人がやって来たにせよ、その留学生はお客様ではありません。

難しいことではありますが、家族の一員として迎えることになります。とは言え、日本を選んで海外から来てくれたのですから、日本らしい場所に連れて行ってあげたい、日本食を食べさせてあげたいと思ってしまうものです。

もちろん、出来る限りのことをしてあげれば喜ばれるでしょうが、自分が無理をしないことが大切です。自分の生活のペースは崩さず、お互いの生活を尊重しながら、金銭的にも、精神的にも、余裕を持った生活をすることが成功の秘訣だと思います。

家事の分担も大丈夫です

ですので、自分の洗濯や自分の部屋の掃除はもちろん、家族であれば分担している家事なども留学生に分担してもらっても構いません。留学生もそのようなことから日本の本当の生活を学んでいきます。例えば、ごみの分別することで、日本の環境問題への取組み意識を学びますし、台所仕事を手伝うことで、狭い台をどのように使って食事を作り、片付けるかを学びます。

食事についていえば、お寿司、お好み焼き、しゃぶしゃぶ、すきやきなど、機会があれば代表的な日本食を用意してあげれば喜ばれますが、忙しい家庭も多いので、出来合いを買ってくることも、出前を取ることも、もちろん洋食を食べてもらうことも普段の生活の一部なのですから、気にする必要はありません。日本人の日頃の生活を体験してもらうことが目的です。

家庭ルールも話しておこう

私たち夫婦は、食事をしながら晩酌をする習慣があるので、食事には時間がかかります。その旨を伝え、食べ終われば自由に終えていいことも伝えました。一緒に食べている時間は、その日の出来事など楽しいコミュニケーションを心掛け、食事が終わり席を立つ時には、自分の食器は自分で台所に運ぶというルールも決めました。

小さな子供がいる場合は、家族で分担して子供の世話もしますし、共働きの家庭なら生活のリズムに合わせて、お手伝いをしてもらって構いません。農作業や動物の世話などでも、家庭の普通の生活に含まれていることは一緒にやってもらいます。

日本人は他人にやらせては悪いという意識を持つかもしれませんが、海外では日本より他人が家に来ることに慣れていることと、このようなボランティアが身近なことから、日本人より、そのような扱いは普通のことと感じるようです。
お客様扱いをしていると、留学生自身も家族として認められていないと感じてしまうかもしれません。

我が家の場合、洗濯に関しては、他の家族のものと一緒で構わなければ、ついでの時に私がするが、自分のものは自分で洗濯したいのなら洗濯機の使い方を教えるし、どちらがいいかは自分で選ばせました。もちろん「自分でしなさい」というスタンスでもOKです。彼女の場合は、私がしてくれるのなら、そうしてほしいとのことだったので、彼女の部屋に洗濯カゴを用意し、私が洗濯をする時に部屋に入り、洗濯物を出してすることで同意しました。

ただ、セクハラなどは大きな問題になるので、主人の前で彼女の下着を片付けたりすることがないよう、その点は特に気を付けました。同様の理由から、主人は変な誤解を受けないよう、下着姿で家の中をうろつくことはしないなど、配慮すべき点には注意を払うようにしました。

ホストファミリーになるには

ホストファミリーになる場合、留学を仲介している団体や企業、日本語学校などを通してホストファミリーの登録を行う方法がありますが、今の時代なので、ネット上で直接やり取りする場合もあるかもしれません。ホストファミリーは民泊のオーナーとは違います。個人的にネット上などで受け入れを決める場合、サイトの信頼性、相手の素性、受け入れ条件などを事前にしっかり調べるようにしてください。

できれば信頼ある団体や企業を通すことをお勧めします。正規留学を仲介する団体の場合、ホストファミリーの規定や心構えなどの指導もあり、留学生が滞在している間、困った時には相談できる体制にあります。個人留学を斡旋する企業でも、フォローはありますが、丁寧さは企業次第ということになるでしょう。日本語学校でも学生のホストファミリーを直接募集している学校もあります。

家族全員が同意していること

いざ、ホストファミリーになろう!と思い登録しようと思って書類を取り寄せると、生活についての色々なアンケートに記入しなければなりません。

家族構成、職業、喫煙するか、個室提供の可否、ペットの有無、宗教、ベジタリアンの受け入れの可否など聞かれることになります。これは受け入れる留学生とのマッチングのために必要な情報です。

ここで、一番大切なことは、家族全員の同意を得られているかということです。自分が受け入れたいと思っても、反対している家族がいる場合は、受け入れ側、受け入れられる側、お互いのためになりません。

もしあなたが学生で、留学生のホストを希望してホストシスターになる立場であるなら、ご両親に丁寧にホストファミリーについて説明して理解を得て下さい。特に負担があるのは通常ホストマザーですので、自分が役割をフォローする心構えも必要です。

もしあなたが、小さなお子さんを持つホストマザーになる立場であるなら、ご主人の同意が得られれば、外国人のお兄さん、お姉さんが来ることで、子供たちにも自然とグローバルな視点を持ってもらえるチャンスを与えてあげることができます。一人っ子のお子さんの場合、兄弟姉妹がいる生活を経験し、分け合ったり、親が自分以外の人にも気を配る環境を知るよい機会になるでしょう。

個室提供に関しては、留学スタイルによって違います。同性の兄弟姉妹と同室も可能な場合もあれば、日本語学校などの場合は、個室(和洋どちらでも可、ベッド、布団どちらでも可、但し学習できる机が必要など)の提供を求めている場合もあります。

ホストファミリー受け入れに必要な英語力

日本からホームステイに行った場合のことを考えて下さい。ホストファミリーが日本語を使ってくれることはまずありませんよね。

基本的に日本にホームステイにくる留学生は、日本に興味を持ち、日本語を学びに来ています。無理に英語で話す必要はありません。ただ、最初に家庭のルールなどを説明する場合、相手の日本語力にもよって、英語で説明した方が間違いないかもしれません。

英語のネイティブばかりとは限りませんので、留学生も片言の英語しか話せないということもあり得ます。最初に遠慮せずに、ちゃんとルール説明することが大切なので、これだけは守ってもらいたいことがある場合は、英文で箇条書きにしておいて、言葉をつけたしながらゆっくり丁寧に説明するようにして下さい。

英語が話せればコミュニケーションはスムーズだと思いますが、英語が通じると思うと、英語圏の留学生はほぼ英語を話すようになってしまいます。理想は基本日本語、難しいところを英語(片言で構いません。スマホの翻訳機能もあります)で説明して、日本語を教えてあげる気持ちでコミュニケーションを取る努力をしていけば、自然と自分も英語を学べると思いますし、留学生の日本語上達過程を楽しむこともできます。

留学生にも、英語をゆっくりわかりやすく話してもらうなどすれば、得意不得意に関わらず、普通に英語を学んできた日本人なら受け入れは十分可能です。

トラブルへの対処法を学んでおく

海外文化を楽しもう!と言っても、楽しいと感じられることばかりではありません。日本人と違い過ぎて、簡単には受け入れられない状態になってしまうこともあります。丁寧にコミュニケーションを取っても、どうしても拒否反応が起こってしまうことはあるものです。そんな時は、無理をしないで留学生の派遣元に相談するなりして、問題点を留学生と一緒に話し合い、解決策を探す手伝いをしてもらってください。

どんなトラブルが起こり得るのかを事前に学び、対処法を考えておくことで、トラブルとまで言えない小さな出来事のうちに火種を消しておくこともできます。
人間同士なので相性もあります。我慢できない自分が悪いわけでもありません。かといって、日本人のように振る舞えない留学生が悪いわけでもありません。

トラブルが大きくなりすぎる前に、お互いの理解を深める努力をして下さい。大切なことはコミュニケーションです。留学生を責めたり、自分を責めたりするのではなく、冷静に問題点を確認し、過去のことを言うよりは、過去の失敗から具体的に今後どうすればお互いが快適でいられるのかを一緒に話し合ってください。そうしているうちに、お互いへの信頼も生まれてくるものです。

簡単に諦めないで下さい。長くなれば、必ずお互いに不満を持つ時がありものです。家族なら許せることでも、他人だから難しい場合もあります。そこを乗り越えることで、本当の絆が生まれ、家族として迎えるべき留学生が家族同然の存在に変わっていきます。

修復できない場合は、途中から他のホストファミリーに代わってもらうこともできますが、それは最後の手段です。

まとめ:ホストファミリーという新しい家族

ホストファミリーとして外国人を受け入れることは、簡単なことではありませんが、特別に難しいことでもありません。外国人であっても同じ人間、相手を思いやる気持ちが大切です。

海外文化を受け入れたい、新しい経験をしてみたい、お互いの理解を深めたい、違うことを楽しみたい、という気持ちを家族で持つことができれば、海外文化と日本文化の違い、違う価値観を目の当たりにして、外国人ならではの、興味深い感じ方や考え方を実感するなど、これまでにはない経験ができるはずです。

  • 文化の違いを楽しむ気持ちを持つ
  • 異文化を楽しむだけでなく理解する気持ちを持つ
  • 相手を思いやる気持ちを持つ
  • 金銭的にも精神的にも無理をしない
  • 英語と日本語のコミュニケーションを楽しむ気持ちを持つ
  • 困難を乗り越え、絆を強めたいという思いを持つ
  • 必要なことは遠慮せずにストレートに伝える

最初は誰でも不安です。例えば最初は、週末だけの体験型ホームステイ、それから数週間程度の短期、そして数ヶ月など、徐々に期間を延ばしてもいいですし、数週間の短期で、色々な国の学生を受け入れ、それぞれの個性や考え方の違いを楽しんでみるのもいいと思います。

実際に起こり得るトラブルの例や、対応のコツなどは【体験談】ホストファミリーの経験から『私たち家族が』学んだことをご覧ください。

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