【厳選】古き良きアメリカを感じる映画17選【1900年代を感じよう】

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私が子供の頃、「アメリカンドリーム」という言葉をよく耳にしました。白人による開拓魂、いわゆるフロンティア・スピリットがアメリカンドリームとなって受け継がれてきました。自由の国アメリカで、誰にでも平等に与えられたチャンスを活かし、努力で成功を手に入れることが「アメリカンドリーム」です。

私が子供の頃はまだまだ海外旅行に行ける人は一部の恵まれた人というイメージで、町を歩いていても外国人に会うこともほとんどありませんでした。インターネットや携帯電話など想像すらできなかった当時は、映画やドラマでしかアメリカの雰囲気を知ることができなかったので、自由の国アメリカへの憧れだけが大きくなり「アメリカンドリーム」という言葉が、とにかく素敵な響きに感じたことをよく覚えています。

現代でも、その時代に合わせた手法でアメリカンドリームを体現し、とてつもない富を手に入れている人もたくさんいます。

でも、私が大人になってしまったせいか、時代が変わったのか、或いはアメリカ自体が変わってしまったのか、アメリカンドリームという言葉の持っていたキラキラ感は、今は薄れてしまっているようですね。

西部開拓時代を舞台にした映画を前の記事で紹介しましたが、今日はアメリカンドリームもテーマに取り入れながら、激動の1900年代のアメリカを舞台にした映画で当時のアメリカを追いかけてみたいと思います。

20世紀に入ると、第一次世界大戦を経て、アメリカは狂騒の20年代と呼ばれる時代に突入していきます。私の祖母の姉二人がアメリカに渡ったのもこの頃でした。そして世界恐慌、第二次世界大戦から冷戦・ベトナム戦争へと時代は移行していきました。

※西部開拓時代を舞台にした映画についてはまとめ:西部開拓時代のアメリカ映画9選【英語学習にも使えます】で紹介しています。

1900年~1950年のアメリカを舞台にした映画

ここでは、この頃作られた映画ではなく、この頃のアメリカを舞台にした映画を集めてみました。アメリカへ移民として渡ってきたイタリア系アメリカ人がアメリカでもマフィア組織を作ったことからマフィアを描いた映画も人気がありました。時代が時代なだけに少し重めの映画が多いです。

華麗なるギャツビー

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狂騒の20年代を舞台にしたスコット・フィッツジェラルドのアメリカを代表する小説『グレート・ギャツビー(The Great Gatsby)』を映画化した作品です。巨万の富を手に入れたギャツビーの生き様が描かれています。

2013年公開のディカプリオの主演作、1974年公開のロバート・レッドフォード主演作の2本ともヒットした映画です。1974年の作品は、フランシス・フォード・コッポラが脚本を書いています。

両方観てみると作られた時代や監督、脚本によっての違いを感じることもできるかもしれません。

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1936年のシカゴを舞台にした映画です。世界恐慌の時代です。ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが主演のコメディ映画です。コメディといってもただのコメディではありません。詐欺師の話ですが、ハラハラ、ドキドキ感あり、ストーリーと最後のどんでん返しのスカッとする面白さに、何度でも見たい映画です。最初は是非、結末を知らないまま観て下さい。

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第二次世界大戦の硫黄島を舞台にしたクリント・イーストウッド監督の硫黄島プロジェクト2部作の1作です。硫黄島の戦いで英雄となった元兵士が、人生の終わりに初めてこの戦いについて語り始めます。硫黄島の戦いをアメリカ側の視点から描いています。

もう1作は、皆さんもご存知の日本側の視点から日本語で描いた『硫黄島からの手紙』です。戦争映画なので、見ていて辛い映画でもありますが、是非両方を観て、感じ取っていただきたいと思います。

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第二次世界大戦後のイタリア系マフィア、ドン・コルレオーネ一家を描いたフランシス・コッポラ監督による大ヒット映画です。マフィア映画なので人殺しのシーンもありますが、20世紀最高の俳優とも言われるマーロン・ブランドと美しいメロディ、マフィアならではの家族愛、その後ゴッドファーザーを継ぐことになるアル・パチーノの演技など見どころはたくさんあります。

オーケストラで演奏されることも多いテーマ曲です。オランダの音楽家、アンドレ・リュウによる演奏がこちらです。

1950年代以降のアメリカを舞台にした映画

1950年代、第二次世界大戦で戦場とならなかったアメリカはこの頃、新たな文化が生まれ繁栄していきます。娯楽映画の時代から、ベトナム戦争などで疑問を抱いた若者の反体制の心情を表現したNew Hollywood(日本語ではアメリカン・ニューシネマ)も生まれました。西部開拓時代の映画の記事で紹介した『小さな巨人』もNew Hollywoodの代表作です。

1970年代には、スティーブン・スピルバーグ監督やジョージ・ルーカス監督も登場します。アメリカらしいサクセスストーリー、ミュージカル、ヒーロー映画、SF映画など、ハリウッドはどんどん大きくなっていきます。

そんな時代のアメリカを舞台にしたタイプの違う映画を集めてみました。

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1960年代後半、国を信じてベトナム戦争に行った青年の苦悩を描いたオリバー・ストーン監督、トム・クルーズ主演の作品です。正直言って見ているのが辛い映画です。でも、戦争を美化することなく、現地の悲惨さを描いています。ケネディ大統領の演説、ニクソン大統領の演説と共に時代の流れや一見華やかなアメリカの光と影を感じることができます。

苦しみ抜いた主人公ロンが、同じベトナム戦争からの帰還兵と思いをぶつけあった後のセリフです。

I had a mother; I had a father, things – things that made sense. Do you remember things that made sense? Things you could count on? Before we all got so lost? What are we gonna do, Charlie? What am I gonna do?

make senseは「意味をなす」「筋が通っている」という意味ですが、ここでは日本語に直すのが少し難しいですね。count onで「~を頼りにする」という意味になります。
日本語の意味に置き換えず、英語そのもののイメージでつかんでもらいたいと思います。

かつては両親がいて(帰還後うまくいかなくなっています)、物事に納得していた(つまり物事に悩んだりしていなかった)。そういう物を覚えているかい?頼れるものもあった。全て失う前は。これからどうすればいいんだ。

そしてロンはある決心をして前に進みだします。
ベトナム戦争についてあまり知らない人は、予め少しだけ勉強してから鑑賞するといいかもしれません。

少し重い話になりましたが、次は有名なサクセスストーリー、アメリカンドリームの映画です。

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『ロッキー』は皆さんご存知だと思います。シリーズ全て見たことがあるでしょうか?私がスタローンのファンだということを差し引いても面白いです。当時のアメリカを原寸大に描いています。1作目は1976年に公開されました。『ロッキー・ザ・ファイナル』まで6本がシリーズ化され、大人気になりました。

ロッキーの成功もアメリカンドリームです。1985年の『ロッキー4/炎の友情』では、当時の冷戦やソ連との関係をストーリーに織り込みしました。1作目だけでも十分楽しめる映画なのでご覧になったことがない方は、この機会に是非ご覧ください。

ロッキー4でソ連での1戦を終えた時のロッキーの言葉です。ロッキーを敵対する観客のロッキーに対する感情が、だんだん変わってきたことについて言っています。少し単純すぎる気もしますが、わかりやすいですね。

During this fight, I’ve seen a lot of changing, in the way you feel about me, and in the way I feel about you. In here, there were two guys killing each other, but I guess that’s better than twenty million. I guess what I’m trying to say, is that if I can change, and you can change, everybody can change!

シルベスター・スタローンが自分で監督、脚本も担当していますが、ストーリーは単純で、直球でグイグイおしてくる感じもアメリカ的な感じがします。2015年には、ロッキーのスピンオフ作品『クリード チャンプを継ぐ男』も公開されました。

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スティーブン・スピルバーグ監督のSFファンタジーです。1982年公開の映画ですが、2002年に20周年を記念してリバイバル公開されました。懐かしくて、まだ小さかった娘を連れて観に行きましたが、小学校低学年の次女が声を殺して(映画館だったので遠慮したようです)号泣していました。

子供にとっては、E.T.そのものも少し怖くて、可哀想な気持ちも混ざっての号泣だったのだと思います。今の若い人には古めかしい映画に見えるかもしれませんが、当時は地球外生命体と心を通わせるストーリーにとても感動したものです。

アメリカン・グラフィティ [Blu-ray]

ジョージ・ルーカス監督の青春映画です。SF映画のイメージが強い監督ですが、この作品で有名になりました。1962年の夏のサンフランシスコ郊外を舞台に、若者の一晩を、50年代~60年代の音楽と共に描いた作品です。若き日のハリソン・フォードも出演しています。

アメリカン・グラフィティというと『ロック・アラウンド・ザ・クロック(Rock Around the Clock)』ですね。1950年代を代表する大ヒット曲です。

One, Two, Three O’clock,
Four O’clock rock,
Five, Six, Seven O’clock,
Eight O’clock rock.
Nine, Ten, Eleven O’clock,
Twelve O’clock rock,
We’re gonna rock
around the clock tonight.

ノリノリで自然と身体が動き出します。歌詞はとても簡単なのに、リズムよく発音しようと思うと結構難しいです。

スタンド・バイ・ミー

1959年のオレゴン州を舞台にした映画で、原作はスティーブン・キングの小説です。スティーブン・キングはホラーで有名ですが、この作品はホラーではありません。

少年の頃のこういった感情は男性の方が理解できるのかもしれませんが、どうしようもない子供たちのそれぞれが胸に抱えてる痛みが、ベン・E・キングの名曲『スタンド・バイ・ミー』と共によく表現されています。今でもファンの多い作品です。

1950年代の大スター、ジェームズ・ディーン

ジェームズ・ディーン(James Dean)をご存知でしょうか。素晴らしい演技力で将来を期待される中、自動車事故で24歳という若さで命を落とした永遠のスターです。

ジェームズ・ディーンの代表作には、『エデンの東(East of Eden)』『理由なき反抗(Rebel Without a Cause)』(両作品ともに1955年)『ジャイアンツ(Giant)』(1956年)があります。ジェームズ・ディーンが亡くなったのは、『ジャイアンツ』の撮影が終了して約1週間後のことでした。今でも語り継がれる伝説のスターです。

中でも『ジャイアンツ』はテキサスを舞台にアメリカンドリームを体現した男の物語です。

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テキサスで大きな牧場の経営者夫婦と、その妻に想いをよせる下働きのジェット(ジェームズ・ディーン)。やがて小さな土地を手に入れたジェットが石油を掘り当て…と話が進んでいきます。

エデンの東 [Blu-ray]

ジェームズ・ディーンの初主演映画で、この映画でディーンは一気にスターとなりました。原作はジョン・スタインベックの、旧約聖書のカインとアベルを題材にした小説『エデンの東』です。第一次世界大戦時代の傷つきやすい青年を見事に演じています。
音楽もとても美しいです。

スタインベックと言えば、古い映画ですが『怒りの葡萄』も映画になっています。1930年代世界恐慌時代に当時の社会問題を取り上げ、苦悩した農民が逆境に立ち向かう姿を描きました。小説はピューリッツァー賞を、映画はアカデミー賞も受賞しています。

理由なき反抗 [Blu-ray]

ティーンエイジャーのやりどころのない怒りを描いた作品です。親に失望し、自分を理解してもらえない葛藤、それでも正直に生きようとしている青年をジェームズ・ディーンが演じているジェームズ・ディーンの魅力がつまった代表作です。

最後に息子が友人を必死で助けようとした姿を見た父親は、悲観に暮れ助けを求める息子にこう言います。

You can depend on me. Trust me. Whatever comes, we’ll, we’ll fix it together. I swear it. Now Jim, stand up. I’ll stand up with you. I’ll try and be as strong as you want me to be.

息子の姿で父親が、息子と一緒に問題に向き合い、自分自身を変えるために立ち上がる決心をした時のセリフです。

ディーン、君がいた瞬間

この映画は、2015年に作られたジェームズ・ディーンの伝記ドラマです。ロバート・パティンソンが出演しています。死後60年経ってもジェームズ・ディーンは映画の中で永遠に生き続けているんですね。この作品のジェームズ・ディーンは少しぽっちゃりしているように見えますが…

1970年代に一世を風靡したジョン・トラボルタ

60歳を越えた今も現役で活躍しているアメリカの俳優です。ダンスや音楽で盛り上がる青春映画で1970年代に一世を風靡し、世界的に大人気になりました。この映画をきっかけに日本でもディスコブームに火がつきました。今、クラブに通う若者にはこのダンスはどう映るのでしょうか。

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1970年代のアメリカで、週末をディスコで過ごす若者の成長を描いた作品です。音楽にダンス、決めポーズが人気になりました。でも、ダンスだけではありません。当時のアメリカの問題点も描いている作品です。サウンドトラックも世界中で大ヒットしました。
中でも有名なのがビージーズのステイン・アライブ(Stayin’ Alive)です。

この音楽に合わせて踊るトラボルタをみんなが真似したものです。かっこいいトラボルタのダンスを是非映画でご覧ください。

ステイン・アライブ

サタデー・ナイト・フィーバーの続編として作られた映画です。『ロッキー』のシルベスター・スタローンが監督、脚本を務めました。なかなか成功できない主人公が再起を目指すストーリーです。『サタデー・ナイト・フィーバー』ほどではありませんが、この作品もヒット作品です。

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ジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン・ジョンによるハイスクールコメディです。サウンドトラックは『サタデー・ナイト・フィーバー』に次いでの大ヒットになりました。オリビア・ニュートン・ジョンが可愛いです。ただ、とても高校生には見えませんが。


曲のタイトルにもなっているYou’re The One That I Wantの部分「ヨラワララワン♪」としか聞こえませんね。

まとめ

皆さんには少し古めかしく感じる映画ばかりだったでしょうか?

でも、前回紹介した1800年舞台の西部開拓時代の映画から1900年代舞台の映画まで、時代の変化を感じていただけたと思います。2000年代に入ると、CG技術も更に進化し、大画面だからこそ楽しめる迫力満点の映画が作られるようになりました。

一方、ハリウッドのセクハラ事件など華やかな世界の裏側も明らかになりました。これも時代が流れたからこそですね。

皆さんは、映画は字幕派でしょうか?吹替派でしょうか?どちらにも良さはありますが、演じている俳優の息づかいまで感じようと思うと、やはり字幕でご覧になる人が多いかもしれません。日本語と英語の特性上、字幕にすると文字制限もあり、セリフの全てを入れることができません。

英語を聞くことに必死になって映画を楽しめないと意味がありませんが、ところどころ、短いセリフなどは耳に入って来ると思います。字幕はストーリーの流れにそって適切な言葉を選んでいるので直訳ではありませんが、字幕を参考にセリフのニュアンスをつかんだり、字幕で気に入ったセリフがあったら、英語で何と言っているのか確認したりしながら、映画を楽しむことで英語学習につなげていただきたいと思います。

音楽と同じように、懐かしい映画はその映画を観た時の自分を思い出させてくれます。
これからも映画を楽しんでいきましょう。

※西部開拓時代の映画についてはまとめ:西部開拓時代のアメリカ映画9選【英語学習にも使えます】をどうぞ。

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