転職を考えた時、これまで培ってきた専門知識や経験はもちろんアピールのポイントですが、そこに英語力がプラスされたら、他の人より有利に立てるのではないでしょうか。思い切ってこれまでと違う業界に飛び込む場合も、英語力がプラスになることはあっても、決してマイナスになることはありません。
社会人として成功するには、その人の「人柄」や「人間力」が一番大切なのかもしれませんが、時代の流れが「グローバル人材」に向いていることも事実です。企業のグローバル化が進み、国際部門にかかわらず、全ての社員に一定の英語力を求める傾向も強まっています。「人間力」に「英語力」がプラスされれば、企業が求めている人材に近づけることは確実です。
企業が求めているグローバル人材とは?
人口減少の影響もあり、日本国内の市場は、今後大きな成長を見込むことは難しいと言われています。その中で重要視されているのが、発展途上国、新興国への進出です。現在、そのグローバル展開を支える人材の不足が企業のかかえる問題となっています。未来の日本の経済は、グローバル人材の力に大きくかかっているのです。
2011年に開催された、当時の内閣総理大臣補佐官、細野豪志氏と文部科学副大臣鈴木寛氏が座長を務めた「グローバル人材育成推進会議」によれば、グローバル人材とは、語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感、異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティーなどを有する人材とのことです。
※参考:グローバル人材育成推進会議
ご存知かと思いますが、残念なことに、日本人の英語力は世界的にも低水準です。少し古いデータですが、TOEICの発表では、2013年のTOEIC国別平均スコアでは、48カ国中、日本は40位と低迷しています。
参考:日本人の平均スコアは512点、48カ国中40位にとどまる
それでも多くの企業が、海外採用に頼らず、日本国内で海外勤務のできるグローバル人材を育てることを望んでいるそうです。
グローバル人材になることは特別なことではない
自分の英語力では太刀打ちできないと考えている人も多いかもしれませんが、日本人は英語が苦手だからこそ、チャンスは大きいと思います。経験のない新入社員ではなく、様々なことを経験してきた人材だからこそ、英語力をつけることで可能性は何倍にも広がるのではないでしょうか。
とは言え、英語力はそう簡単には手に入りませんし、もちろん、英語で世界と同等に渡り合うには、単に英語が聞けて話せればいいというものでもありません。日本人から見たら、英語がペラペラでかっこよくみえる人でも、ネイティブの中高生レベルの会話しかできなければビジネスでは通用しません。そういう意味では、英語が苦手な日本人の中で多少話せたからといって、あまり役には立たないという考え方もできるでしょう。でも、「英語が話せない日本人」というレッテルを貼られてしまった以上、苦手なりに必死に喰らいついていくしかないと思いませんか?私たち日本人は、いくら努力をしてもネイティブにはなれません。ネイティブの発音で話すこともできないと思ったほうがいいでしょう。苦手なら苦手なりの努力を積み重ねた「日本人の英語力」で勝負するしかないということです。
英語も日本語も、ほぼ不自由なくバイリンガルとして活躍できる人はわずかです。ほとんどの人が、努力して発展途上の英語力で頑張っています。これから先、嫌でもそのような環境に置かれる時が来るかもしれません。
身近な実例
私の身内に、会社の方針で、管理職として一定のTOEICスコアを課されたことで勉強を始めた人がいます。英語とは無縁だった人が、努力し、複数回の挑戦でTOEIC760点を取得した後、ビジネスに特化したオンライン英会話を毎日続け、世界でも有名なある企業家に、英語で自社製品を説明する機会を得ました。留学経験も海外勤務経験もありませんが、海外出張はこなすようになっています。
そう聞くと皆さんは、「元々語学的センスのあった人」が、「英語がペラペラレベル」になったと考えるかもしれません。
でも、理系に優れた彼は、学生時代も決して英語、国語が得意だったわけではありません。現実は、彼の英語力もまだまだ完璧にはほど遠く、発音も日本人の発音そのものです。でもそれは、外国人に通じる日本人アクセントの英語です。
まだ一度で聞き取れず、聞き直すこともありますし、聞く時も話す時もとにかく「必死」です。「海外出張へ行った」と聞けば、「この人英語ペラペラなんだろうな」と思うかもしれませんが、実は、この身内のように、やっとのことで何とかこなしている人の方が多いというのが現実なのかもしれませんよ。
確かに感心するほどの努力はしていました。もちろん今でも英語学習には積極的に取り組んでいるようです。英語での現場も、英語学習も楽ではありませんが、何より、グローバル人材として活躍できている自分に対する自信が、前向きにさせてくれるのだろうと感じています。
因みに彼が英語学習を本気で始めたのは40代前半、今は40代後半に差し掛かるところなので、数年で今のレベルにまで達していることになります。多分、これからもっと上達していくことでしょう。
本気で望み、本気で学習に臨めば、誰でもグローバル人材となることは可能なことです。これを読んで下さっている皆さんはもっとお若いと思うので、まだまだ余裕で上達できますよ。
転職に求められる英語力
では、具体的にどの程度の英語力が転職時に求められているのでしょうか。TOEICスコアで示すと、2013年のデータによれば、中途採用社員に求めるTOEICスコアは平均710点となっています。新入社員に期待するスコアは565点なので、やはり中途採用社員には高い英語力を求めていることがわかります。
実は、この期待平均スコアは2011年から大幅に上がっています。それだけ企業側も、グローバル人材を本気で探し始めてきているということなのでしょう。
※参考:「上場企業における英語活用実態調査2013年」報告書より
英語力があるから、必ずしも海外勤務を目指さなければいけないというものでもありません。国内勤務であっても、今はどのような業界でもグローバルな視点を持つことは大切なことと考えられているはずです。海外ニュースや海外情勢を海外の視点からの報道で理解できることで、視野が広がりますし、インターネットなどで海外情報を早くつかむことができることも、世界が小さくなった今、ビジネスに大いに役立つはずです。
「グローバル人材育成推進会議」の報告書では、コミュニケーション能力を段階的に表すと、①海外旅行会話レベル、②日常生活会話レベル、③業務上の文書・会話レベル、④二者間折衝・交渉レベル、⑤多数者間折衝・交渉レベルの5段階に分けています。
この中で、③業務上の文書・会話レベルまでは、着実に人材を増やすことができると考えているようです。そこからどのように④段階、⑤段階へと人材を育成するのかが重要なのですが、確かに折衝、交渉といった能力は、日本語で行う場合でも個人差が大きいものです。たとえ得意だったとしても、英語で行うとなると日本語で行うのと同じように進めることはできません。
英語力だけでなく、ビジネス経験もしっかり積んで、自分を磨いていきたいところですね。
英語力を活かした転職のための転職サイト22選
基礎英語力をつけたら、英語力向上の秘訣は、否応なしに英語を使うこと、英語のミスを恐れず図々しくなること、自信を持つことだと思います。
ある程度の英語力を手に入れ、転職を目指す際に役立つ転職サイトを紹介します。コンサルタントサービスが受けられるエージェントならアドバイザーに相談しながら転職活動を進めることができます。一般の転職サイトであれば、沢山の案件からマイペースに探していけます。
JAC Recruitment
グローバル転職のサポートに強みを持っている大手転職エージェントです。
» 公式サイトはこちら
マイナビエージェント
業界選任のアドバイザーが転職をサポートしてくれます。外資系への転職も多く扱っています。
» 公式サイトはこちら
BIZREACH ビズリーチ
ハイクラス向けの会員制転職サービスとして、管理職やグローバル人材の転職を支援しています。
» 公式サイトはこちら
DODA グローバル
海外勤務、外資系など英語力を活かした転職のためのサイトです。エージェントの利用も可能です。
» 公式サイトはこちら
Type転職エージェント
職種ごとに特化したサポートが受けら、英語を活かした転職、女性の転職にも強みがあります。
» 公式サイトはこちら
RECRUIT AGENT リクルートエージェント
外資系、英語を活かした転職、また女性の転職にも強みのある大手転職エージェントです。
» 公式サイトはこちら
パソナキャリア
国内最大級の転職エージェントです。外資にも強みがあります。
» 公式サイトはこちら
Adecco アデコ
世界でも有名な外資系大手転職エージェントです。※2017年5月8日Spring転職エージェントに社名変更するようです。
» 公式サイトはこちら
en world エンワールド
外資系、グローバル企業に特化したエージェントです。
» 公式サイトはこちら
ISSコンサルティング
外資系企業に特化したハイクラス向け転職エージェントです。
» 公式サイトはこちら
AEGIS JAPAN アージスジャパン
丁寧なコンサルティングに定評がある外資系転職に特化した転職エージェントです。
» 公式サイトはこちら
randstad ランスタッド
外資系、グローバル企業を中心としたハイクラス向けの転職エージェントです。
» 公式サイトはこちら
HAYS ヘイズジャパン
専門職を中心とした外資系転職エージェントです。
» 公式サイトはこちら
外資転職.com
外資系企業求人専門の転職サイトです。転職サポートに申し込むこともできます。JAC Recruitmentによる運営です。
» 公式サイトはこちら
Daijob.com
英語力を活かし、グローバルに活躍したい人のための転職サイトです。
» 公式サイトはこちら
CAREER CARVER
リクルート運営のハイクラス求人に特化した転職サイトです。
» 公式サイトはこちら
ジャパンタイムスジョブズ
英語力を活かした派遣の仕事も探せる転職サイトです。
» 公式サイトはこちら
リクナビNEXT
有名な総合転職サイトです。英語力を活かした転職にも強みがあります。
» 公式サイトはこちら
マイナビ転職 グローバル
語学力を活かした転職のためのサイトです。
» 公式サイトはこちら
CareerCross
日本の外資系への転職サイトです。
» 公式サイトはこちら
ROBERT WALTERS
外資系、日系グローバル企業への転職サイトです。
» 公式サイトはこちら
Michael Page
外資系への転職に特化した転職サイトです。
» 公式サイトはこちら
まとめ
誰にとっても、慣れた仕事を離れ、新しい環境や世界に踏み出すことは、とても勇気のいることです。ストレスを感じることも多いでしょう。もし外資系に就職した場合、日本の企業と勝手が違うことも多いかもしれません。
いきなりネイティブと同等に渡り合える英語力は手に入りません。まずは、他より一歩上を行く英語力を目指し、その英語力を更に鍛えられる仕事に就き、実践を通して確実な英語力身につけることで、更なる転身が図れるかもしれません。
本気で努力すれば、仕事でつかえる程度の英語力は誰でも手に入れることができます。無理だと決めつけず頑張れば、案外短期間で変われるものです。頑張りましょう!