TOEICに挑戦してみませんか?TOEICは就職や仕事で必要な人が受験するものと思っているかもしれませんが、実は目標設定しやすく、基礎英語力アップのために利用するのにピッタリのテストです。
TOEICで基礎英語力を伸ばす学習方法について解説します。自分なりの目標設定で、スコア達成やスコアアップの楽しさを経験してみませんか?
TOEICに特化した学習法で英語力はあがる?
漠然と英語学習をするより、何か目標があった方が学習はしやすいのではないでしょうか。目標として英検やTOEICなどを考える人は多いと思います。
英検は目標級の合格、不合格として結果がでるので、合格すれば達成感はありますが、不合格の場合、実力は間違いなく伸びていても、達成感より挫折感を味わってしまうこともあるかもしれません。一つの級に合格しても、次の級までは、少し遠い道のりになってしまいます。
その点TOEICは合格、不合格で結果の出る試験ではないので、自分の実力アップを計りやすい試験と言えます。
TOEICについての基本情報や詳しい概要については、英語初心者がTOEIC受験前に知っておきたい10のこと【丁寧に解説します】を参考にして下さい。
でも、TOEICについてこんなことを聞いたことがありませんか?
- ビジネス英語で特殊だから一般的な英語力とは別物
- 満点でもしゃべれない人が多い
- 実力よりテクニックが大切なテスト
- スピーキングテストがないから意味がない
- だからTOEICの勉強は無駄…
本当にそうでしょうか?
このように思ってしまうのはTOEIC満点=ネイティブ並みの英語力、というような先入観による大きな勘違いが原因のような気がします。そもそもTOEICは非ネイティブ向けのテストです。
確かに今の日本では、英語力をTOEICで計られる傾向にあります。海外勤務や昇進の条件になっている会社もあり、就職時にもTOEICスコアが高ければ、それなりの評価をもらえるでしょう。
例えば日本に居ながら、一生懸命勉強し、リスニングを鍛えて800点取った人。まだまだビジネスの現場で英語でコミュニケーションを取るには不安があると思います。これだけで、800点取っても英語がしゃべれない無意味な英語力を持った人というレッテルを押してしまうのは正しいのでしょうか?少なくともこの人は、英語の基礎力はあります。他の人より、英語に対する努力も出来る人です。ここまでの英語学習を通過点とし、この人はこれからアウトプット学習も含め、ますます英語力を伸ばしていくでしょう。
私はTOEICの目標は満点を取ることでも900点を取ることでもないと思っています。
TOEICのための学習を通し、自分なりのスコア設定をして、それを達成していきながら基礎英語力を上げていくことがTOEICの賢い利用法だと思います。その学習を積み重ねていき、例えば730点というスコアに到達した時、自分の英語力が以前と変わっていることに気が付くはずです。同時に、まだまだ先があるという気持ちも強くなるでしょう。
ビジネス英語で特殊だから一般的な英語力とは別物
そんなことはありません。確かに日常会話ではあまり使わない単語も出てきますが、英語の基本はビジネスでも日常でも変わりません
満点でもしゃべれない人が多い
どの程度しゃべれれば、「しゃべれる人」になれるのかわかりませんが、確かに話すのは苦手な人は結構いると思います。ただ、それはアウトプットの機会が足りていないからです。その機会を持てば、リスニング力、文法力を活かし、コミュニケーション力を伸ばせる人がほとんどでしょう。
実力よりテクニックが大切なテスト
TOEIC学習は反復練習で、問題に慣れることが大切と言われています。それは否定しません。同じ実力の人なら、問題に慣れている人の方が必ず高いスコアを取れるでしょう。でも高スコアが取れるまで反復練習ができたのであれば、それは単なる慣れではなく、英語そのものに慣れ、必要な英語力を身につけたからだと思います。パート5などは、全文を読まず、単語の意味を知らなくても解ける問題があるのも事実です。でもそれは基礎力のない人には無理な話です。単に慣れやテクニックだけで高スコアがとれるテストではありません。
スピーキングテストがないから意味がない
英語学習の最終目標は、やはりコミュニケーションにあると思います。不自由なく英語でコミュニケーションを取るには、通じる英語を話す文法力と相手の言っていることを理解するリスニング力は不可欠です。文法もめちゃくちゃの単語の羅列でもわかってもらえることもあるかもしれませんが、それ以上の発展はありませんよね。TOEICで基礎固めをしてから、次はアウトプットの練習にとりかかると基礎力なしに英会話を学ぶよりスムーズなはずです。
【初心者向け】TOEIC学習しながら英語力を上げる学習法
まず、最初に取り組んでもらいたいのは、リーディングパートのパート5とパート6です。特にパート5を中心とした学習に努めて下さい。TOEICは1年に10回受験のチャンスがあります。仕事などで期限が決められている人は別ですが、自己啓発のための学習なら、最初は半年後あたりを目指して学習を始める感じでいかがでしょうか。それでも自信のない人は3ヶ月でも構いません。1ヶ月では短すぎると思います。1年先ではモチベーションが続かないかもしれません。
できれば、TOEIC公式問題集を手に入れて、一度時間通りに解いてみて下さい。初めての人は全然できなくて当たり前です。最後まで解けなくても、めちゃくちゃにマークしてしまっても構いません。取り敢えず、現時点のスコアを把握してみて下さい。低ければ低いほど、伸び代がある!という気持ちで気楽にやりましょう。
公式TOEIC Listening & Reading 問題集2
全く初めてという人は、英語初心者がTOEIC受験前に知っておきたい10のこと【丁寧に解説します】で英語学習以外の大切なポイントを紹介していますので、参考にして下さい。
TOEIC Part5の具体的な学習法
少し細かくなるかもしれませんが、初心者の方にも、中級者の方にもお勧めする学習法について説明します。楽してスコアアップ、短期間でのスコアアップを目指す学習ではなく、この勉強を通して基礎文法力を上げるための学習法になります。
時間もかけて丁寧に学習することになりますが、大事なことは、難しいと思ったらこだわり過ぎずに先に進むことです。完璧にやることは不可能ですし、辛くなってしまったら意味がありません。目標は、英語の語順になれ、文の構造を瞬時に理解し、返り読みをせず頭から英語を英語のまま理解していけるようになることです。
パート5は短文穴埋め問題です。あらゆる文法事項が出題されます。このパートの学習から始めることをお勧めする理由は大きく3つあります。
- 1.英文の構造をつかむ学習に役立つ
- 2.基礎文法力固めに役立つ
- 3.成果を実感しやすい
このパートはターゲットがハッキリしているので取り組みやすく、得点を上げやすいパートです。
1.パート5対策の問題集、辞書、英文法書を準備する
英文法書は学生時代に使っていたものがあればそれでも構いません。インターネットでも文法については調べられますが、TOEIC学習を本気で始めてみようと思うのであれば、読みやすそうなものを1冊持っていて損はありません。
定番文法書としては下記のようなものがあります。自分が読みやすいと思うものを選んで下さい。
一億人の英文法
総合英語Forest
パート5対策の問題集はたくさんあります。これは、自分の実力に合わせて無理のない問題集を選んで下さい。何冊か紹介しますが、文法力に不安のある人は、解説が丁寧なものをお勧めします。1冊を何度も繰り返すことを前提に選びます。
1駅1題 新TOEIC TEST文法特急
【新形式問題対応】TOEIC(R) L & R テスト 究極のゼミ Part 5 & 6
TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
2.問題を解く
最初は5~10問ずつ、無理のない量からゆっくり丁寧に始めてください。まだ時間を意識する必要はありません。むしろ時間をかけて丁寧に取り組んで下さい。その時、穴埋めの答え以外に下記のことを必ず意識します。
- 主語と述語動詞(その英文の核となる動詞)を確認し、述語動詞を素早く見つける
- 易しい英文なら5文型も意識する
英文の構造がわかると、品詞や文法事項についても理解しやすくなります。
3.解説を熟読する
ここからが大切です。
正解、不正解に関わらず、解説を熟読して、なぜその答えが正解なのか、そして解説が言っていることを「完璧に」理解して下さい。問題集の解説だけでは理解できないこともあると思います。
解説にあった文法用語なども、不確かならば、その時点で文法書で学習して下さい。例えば「関係代名詞」に不安があれば、そもそも関係代名詞とは何だったのかから学習し直します。なぜ形容詞が入るのかがわからなければ形容詞の特徴について学習します。一つ一つの文章について、丁寧に理解を深めて下さい。最初はかなり面倒で時間のかかる作業になります。
ただ、難易度の高い問題で、どうしても理解できない場合は、次の繰り返し学習時のお楽しみとして諦めて次に進みます。実はTOEICでは「諦め」も大切なんです。
わからない単語も沢山でてきますので、もちろん覚える努力もしながら先に進んで下さい。
4.同じ問題集を繰り返し解く
同じ問題集を繰り返し解きます。1度目に時間をかけて学習したのに、忘れていることはたくさんあります。それが普通で、それを少しでも定着させるために反復学習を行います。それでも、2度目、3度目と時間は短縮していくはずです。1度目に1ヶ月かかったなら、2度目は3週間、3度目は2週間など、目標設定してもいいと思います。
繰り返し解く時も、必ず英文の構造を意識しながら「なぜその答えが正答なのか」、余裕のある人は「なぜこの答えは不正解なのか」を常に理解しながら進めることを忘れないで下さい。何度繰り返すかは個人の性格にもよると思います。10回やり切る達成感を目標に頑張れる人、3回が限界で次に進みたくなってしまう人、色々だと思いますが、最低でも3回以上は繰り返すと理解も深まると思います。
繰り返しながら、TOEICによく出てくる表現なども学んでいきます。
繰り返し学習のメリット
- 理解が深まる
- 一度理解した英文なので、頭から英語を理解していく感覚を得やすい
- 何度も読んだ英文なので素早く理解しながら解くスピード感を味わえる
- 頻出単語や頻出表現を自然と学べる
5.時間を意識しながら解く
同じ問題集で構いませんので、時間を意識しながら解いてみて下さい。何度も繰り返した後なので、答えを覚えているもの、英文を覚えているものもあるはずですが、覚えている問題も、一通り英文を読みながら、「この動詞を修飾する語だから副詞が入るな」などと正答の理由を考えながら解いていきます。あまり長く考えていると時間がなくなりますので、ほどほどにしながら、この時間内で解くには、どの程度のスピードが必要なのかを体感してください。
パート5は30問です。ちゃんと英文を読みながら急いで解いた時、何分かかったかというところから、時間を縮めていく訓練を自分なりにしていきます。理想としてはパート5とパート6で20分とも言われますが、これはTOEIC対策としての時間配分です。時間配分は個人でも差がありますし、あまり20分にこだわりすぎる必要はありません。まずは、焦ってしまいちゃんと英文を読まずに、できる問題を落とすことがないスピードで反復学習することの方が基礎力をあげる学習には大切だと思います。
TOEIC対策としての時間配分に少し触れておくと、TOEIC対策の中で時間配分は大きなポイントになります。これが、最初にお話した「テクニック」という言葉にも繋がるのかもしれませんが、TOEICのリーディングパートは75分間のテストです。極端な例ですが、60分かけてパート5とパート6を90%正解するより、25分で80%取れる方が残りのパートで正答数を上げる観点から考えるといいということになります。基礎力がついたら、時間配分を考慮したスピード重視の学習を進めて行くと、TOEICスコアアップにつながります。
6.語彙対策
TOEICでは語彙力を問われる問題も相当数出題されます。最後に持ってきましたが、スコアアップを目指すための語彙学習は自分の目標レベルに合わせた単語帳などで並行して学習を進めて下さい。
ここでTOEICの語彙問題の特徴に少し触れておきたいと思います。
- 意味を解答する問題、単語を書かせる問題は出題されない
- 学術的な文書で使われる単語は出題されない
学術的な単語が出題されないとはどういうことかというと、広告、社内通達、ビジネスメールなど一般的なビジネス状況下で使われる単語しか出題されないので、英検やTOEFLなどと比較するとかなり絞られた語彙学習で済むということです。
ですので、TOEICのスコアアップだけを目標とするのであれば、出題される単語のみを学習することがスコアアップの近道ということです。この辺も、TOEICが否定的に言われる所以かもしれません。ですが、TOEICのための語彙が無駄な語彙かと言ったらそんなことはなく、何をきっかけに学習を広げていくかは個人個人の問題です。
ここまでの学習で、英文の構造を理解して、各文法事項についてもだいぶ身に付いているはずです。短い英文を返り読みせず、頭から英語の語順で理解できるようになると、パート6や長文のパート7の読解力にもつながります。
TOEIC Part 6学習でPart 5学習を発展させる
パート6は4つの長文に4つの空欄が用意されていて、適した語句、センテンスを選びます。全部で16問です。
穴埋めのパターンは大きく2種類あります。
- パート5と同様、その一文だけで解ける問題
- 文脈の理解が必要な問題
パート5学習で身につけた、英語を英語のまま理解する力を長文で使うことを意識して、実践的に学習を進めます。
まずは、空欄を埋めることより、この長さの英文を読むことに慣れて下さい。空欄で止まって答えを探すより、ある程度読み進めて前後も把握してから答えを探した方が探しやすいです。書かれている内容がわかれば、自然と選択肢も絞れてきます。
TOEICの学習継続のためのアイディア
上記で解説した学習法を続ければ、確実に英語力は上がります。でも、現実的に毎日何時間も机に向かって勉強する時間がないことが悩みの種ですね。それでも是非、1日30分でも時間を作って、半年後のTOEIC受験で成果を実感するために学習を続けてもらいたいと思います。
どのような学習法がメインとなるかは、個人の生活リズムにもよると思いますが、机上の学習ばかりではなく、通勤通学時間や、隙間時間を利用した学習や、楽しみながらできる学習を並行して行うと効果も上がりますし、モチベーションも維持できます。
隙間時間を利用した学習というと、やはりアプリを考えます。TOEIC対策アプリは本当にたくさんあります。文法問題対策、語彙対策、リスニング対策などが主になりますが、とにかく問題を多く解いて答え合わせをしていくという学習になるものが多いようです。このようなアプリは、問題数をこなすにはとても役立ちますが、ここで解説したような学習法と組み合わせてこそ、大きな効果が表れると言えそうです。自分の学習スタイル、苦手分野に合わせたアプリを選ぶ必要があります。
TOEIC学習に利用できるアプリやサイトについては、【英語】TOEIC学習にオススメなアプリ15選+Webサイト8選です。eでも紹介しています。
このアプリで完結!スタディサプリTOEIC対策講座
数あるTOEIC対策アプリの中から、補助的学習でもなく、単元ごとの学習でもなく、演習問題だけでもなく、全てのパートについての学習ができ、それも上記で説明した学習に違い学習も可能とするアプリを紹介したいと思います。
スタディサプリTOEIC対策講座の魅力
スタディサプリは、数々の人気TOEIC対策本などで信頼のある関先生の解説動画を観ることができます。これは何よりの魅力なのですが、私が一番納得したのは、「短期間の付け焼刃では通用しない長期的なスパンでの心構えが必要。いきなりTOEIC対策、演習に取り掛かるのではなく、基礎に立ち戻る。実践演習ばかりでTOEICに通用する(昔学習した)英語の基礎が戻るはずがない(要約)」という言葉です。
つまり、このアプリでは、単に実践練習を積むというだけでなく、基礎に立ち戻った学習ができるということです。
- 暗記やテクニックに頼らないポイントを押さえた関先生の解説5分間動画
- 単語、文法、リスニングの演習だけでなく学習ができる
- 演習問題だけでない実践的な学習コンテンツ
- 数分単位の時間でいつでもどこでも学習できる
- 基礎文法の振り返りがすぐにできる
- 全てのパート別の豊富な実践問題と丁寧な解説
- モチベーション維持の工夫機能が充実
例えばリスニング対策には、単にリスニング問題を解いて回答をチェックし解説を読むだけでなく、ディクテーション機能があります。リーディングパートで時間が足りなくなる人には、スピードアップを鍛えるスピード音読、また、シャドーイングにも対応しており、総合的に英語力を鍛えていく機能が充実しています。もちろん各英文法事項の解説も網羅されていますし、英単語学習もできます。
スタディサプリのデメリット
有料であることをデメリットと言うのもどうかと思いますが、スタディサプリは有料です。
- TOEIC L&R対策コース
- 月額:2,980円(税抜)
- ※6ヶ月、12ヶ月パックあり
これを高いというか安いというかは、使う人次第だと思います。ただ、間違いなく言えるのは、本気でやる心構えのある人向けです。半年間努力を続けたとして、約18,000円です。スクールに通うこと、参考書や問題集を複数冊購入することを考えると、決して高いとは言えないと私は思いますが、それは結果を出してから始めて実感できることだと思います。
何年も越えられなかった壁を越えることができれば、その値段以上の価値を手に入れることになります。
スタディサプリは英会話学習アプリですが、TOEIC L&R対策コースに申し込めば、日常英会話コース(980円/月税抜)を無料で利用できます。7日間の無料体験でお試し受講もできます。気に入らなければ期間内の解約で課金はされません。
» スタディサプリの無料体験はこちら
まとめ
当たり前のことですが、アプリも参考書も、購入しただけでは何の役にも立ちません。とにかく目標を持って継続することです。
明確な目標を持たずに英語学習を継続することは難しいことです。語学学習に終わりは来ないので、考えただけで気が滅入ってしまうこともあるでしょう。ずっと100の力で継続する必要はありません。
3ヶ月なり半年なり、TOEICなどを利用した一生懸命頑張る時期があって、その後暫くは英語力アップのための学習から離れ、英会話を楽しんでみたり、英語で読書を楽しんでみたり、海外旅行に行ってみたり、伸ばした英語力を楽しむだけの期間があってもいいはずです。そして、そんな中から意欲が沸いてきたら、また英語力アップを目指して頑張ってみる。そうやって継続していくことで、気が付いたら高い英語力を身につけていたとなったら理想だと思いませんか?
TOEICは、目標設定もしやすく、学習リズムのつかみやすい試験です。一歩ずつ前進してみてはいかがでしょうか。