【アメリカで流行中?!】トランプ大統領の英語スピーチで英語を学ぶ

楽しく英語学習
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【考察した】アメリカ留学とトランプ政権【やっぱり危険なの?】ではトランプ政権誕生で感じる不安についてお話してきましたが、この際、トランプ大統領に英語学習に協力してもらいましょう。トランプ大統領のスピーチをニュースで聞いて、わかりやすいと感じたことはありませんか?

アメリカ大統領のスピーチは、誰にでもわかりやすい言葉で戦略的に訴えかけるものです。使われる語彙も、以前よりかなり易しくなってきています。そんな中でも、トランプ大統領のスピーチは、中学生レベルの語彙と文法で話されているので、英語学習者、それも初心者向けだと言われています。話すスピードもゆっくりです。

大統領のスピーチを理解することは通常易しいことではありませんが、トランプ大統領のスピーチを利用した英語学習が、アメリカで第二外国語として英語を学んでいる生徒たちの間で流行っているそうです。易しい言葉とコンスタントに繰り返されるフレーズ、内容も基本的な考えに終始しているところが理解しやすいということです。

是非一度落ち着いて聞いてみてください。

トランプ大統領の英語スピーチ

話し方も、手でリズムを取るように、とてもゆっくりで一言一言ハッキリ話しています。タイピングが得意なら、書き取りの練習もできてしまいそうなほどゆっくりです。

学習のコツ

8年前のオバマ大統領の名スピーチもとてもわかりやすく、英語学習に向いていると言われていましたが、それでも初心者には少し難しかったかもしれません。カナダの大学の言語学者も、トランプ大統領のゆっくりした話し方と繰り返しは、理解するための時間を与え、更に知らない語彙が少ないことも加わり、英語学習者の英語学習に大いに役立つと語っています。

 先に訳文を見ない
インターネット上で全文訳なども簡単に探せますが、訳文は見ずに聞きましょう。

 一度通して聞く
17分程度のスピーチなので、できれば一度通して聞いてください。完全にわかろうとしなくても大丈夫です。いくつかのテーマについて話しているので、どんなことについて話しているのか、だいたいの雰囲気をつかみます。

 短く区切って内容把握
集中力が続く程度の長さに区切って内容把握に努めましょう。完全な日本語訳にする必要はありません。トランプ大統領の言葉は、比較的一文が短く、英語をかたまりのまま捉え、英語のまま理解する学習にうってつけです。もちろんわからない語彙もあると思いますが、その語彙がその一文にとってメインとなる言葉でなければ、最初は多少のことは気にるす必要はありません。その単語がわからないと文全体の意味をつかめない時は、訳文を見るのではなく、辞書で調べて下さい。スペルがわからない場合は、英語のスクリプトを参考にします。スクリプトをあまり読んでしまうと、目から入る情報に引きずられ、見た目の語彙や文法解釈が気になってしまうこともあるので、最初はリスニングに徹するためにも、原文は単語チェックに留めることをお勧めします。

 一通り理解できたら繰り返し聞く
一通り理解できたら、音を拾う努力をしながら何度か繰り返し聞いてみましょう。その後はスクリプトを見てしっかり内容を確認しながら聞くのもいいですし、ディクテーションのように聞いて書き取ってみたり、一緒に声に出してスピーチしてみてもいいでしょう。
ワシントンポスト掲載トランプ大統領就任演説全文スクリプト

トランプ政権とメディアの戦いがよく取り上げられますが、ワシントンポストもトランプ大統領と対立しています。スクリプトの中の黄色でハイライトされている部分は、クリックするとワシントンポストの記者の注釈を読むことができます。一般人の投稿もあります。内容把握できたらこの注釈も読んでみると、理解が深まりますよ。

トランプ大統領とオバマ前大統領のスピーチ比較

参考までに、トランプ大統領が就任演説で語ったこととオバマ前大統領が8年前に語ったことについて少しだけ比べてみましょう。
※あえて和訳していません。頑張って読んでみましょう。

貿易について

 トランプ大統領:
We must protect our borders from the ravages of other countries making our products, stealing our companies and destroying our jobs.
Protection will lead to great prosperity and strength. I will fight for you with every breath in my body and I will never ever let you down.

 オバマ前大統領:
Our workers are no less productive than when this crisis began. Our minds are no less inventive, our goods and services no less needed than they were last week or last month or last year. Our capacity remains undiminished. But our time of standing pat, of protecting narrow interests and putting off unpleasant decisions — that time has surely passed. Starting today, we must pick ourselves up, dust ourselves off, and begin again the work of remaking America.

トランプ大統領の言葉はとてもストレートなのでコメントするまでもありません。オバマ前大統領が使っているno less ~than…は「…に劣らず~」という意味で、ここでは、以前よりアメリカ人の労働力が何ら衰えているわけではないことを強調しています。でも変わる時が来た、という流れですね。特に最後、オバマ前大統領はweという主語を使っていますが、トランプ大統領はIを使っているところが二人の違いを明確にしているように感じます。

中東について

 トランプ大統領:
We will reinforce old alliances and form new ones and unite the civilized world against radical Islamic terrorism, which we will eradicate from the face of the Earth.

 オバマ前大統領:
To the Muslim world, we seek a new way forward, based on mutual interest and mutual respect. To those leaders around the globe who seek to sow conflict, or blame their society’s ills on the West – know that your people will judge you on what you can build, not what you destroy.

8年前とは状況も違っていますし、オバマ大統領はthe Muslim worldについて語り、トランプ大統領はIslamic terrorismについて語っているので、一概に比較はできないかもしれませんが、ここでも二人の個性を感じられます。

アメリカの偉大さについて

 トランプ大統領:
America will start winning again, winning like never before.
Together, we will make America strong again. We will make America wealthy again. We will make America proud again. We will make America safe again. And yes, together we will make America great again.

 オバマ前大統領:
In reaffirming the greatness of our nation, we understand that greatness is never a given. It must be earned.

トランプ大統領のWe will make America great again.のmake。文法的に何と言うのか覚えていますか?そうです。使役動詞です。He made me cry. のように原形不定詞と使いますが、原形不定詞でなく形容詞を使うと「その状態にする」という意味になります。

これだけ見ても、使われている言葉も内容も全然違いますね。オバマ前大統領の言葉の方が、私たち日本人にとっては当然安心できますし理想的だと思います。核廃絶を訴えたプラハでの演説など、オバマ大統領の素晴らしいスピーチを聞く機会も度々ありました。でも博愛や理想ではうまくいかなかった――そして当初は泡沫候補と言われていたドナルド・トランプ氏が大統領になりました。世界は混沌とし、アメリカの力も落ちてしまったと言われる現状に、私たちが思う以上にアメリカ人は落胆し、危機感を持っていたのかもしれませんね。

トランプ大統領の当選が決まった時の指名受諾演説も紹介しておきます。こちらもとてもとてもわかりやすいスピーチです。最初に観た時、スピーチより隣の美少年(息子のバロン君)に気を取られてしまったのは私だけではないはずです。

※全文スクリプトはこちら
Donald Trump’s victory speech (full text) – CNNPolitics.com

まとめ

トランプ大統領就任後、アメリカから知り合いが日本に観光にやってきました。アメリカで生まれ育った日系アメリカ人、イタリア系アメリカ人も含まれています。

トランプ大統領が話題になることは、ほとんどなかったのですが、大きな駅の人ごみを眺めながら「この人たちはトランプ大統領を選んだアメリカ人をどう思っているのか心配だ。アメリカ人は馬鹿だと思われているのではないか?私たちは望んでいなかった。ヒラリーさんに投票したアメリカ人の方が多かったことを日本人は知っているのか?」と一度だけ言ったことがありました。それでも、当たり前と言えば当たり前ですが、大統領が変わったからといって急に生活が変わることはなく、初めての日本観光を存分にエンジョイして帰っていきました。

トランプ大統領が手に入れた権力は絶大です。これからどんな風にアメリカが変わっていくのか私にはわかりません。オバマ前大統領が掲げた理想的なChangeは、トランプ大統領誕生という、考えてもみなかったChangeを生み出したと言えるのかもしれません。

でも、そんな今だからこそ、変わりつつあるアメリカを体験する価値があるという考え方もできるのではないでしょうか。報道で伝えられるのは、恐らく大きな反対運動や支持者たちの集会などでしょう。普通の人たちの日々の普通の暮らしを肌で感じることで、日本にいたのでは知り得ないことを学び、持つことの出来ない大きな視野で物事を考えられるようになります。考えられるようになる、と言うより、自然とそうなります。

もしかしたら今が、今しか触れることができないアメリカを知るチャンスといえるのかもしれませんよ。

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