言語には「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能がありますが、英語学習において、「書く」ための学習は後回しにされがちです。確かに、「聞けて話せる」ことは直接的なコミュニケーションにつながりますし、海外の人とコミュニケーションが取れた喜びにも直結します。
「書くことは特に必要としていないから話せればいい」という人も多いことでしょう。ただ、英会話では、表情や相槌、身振りの助けを借りて、単語だけの返答で済ませてしまってもコミュニケーションが成り立ってしまうことも間々あることです。もちろん、それでもコミュニケーションを取ることは大切なことですが、それで満足してしまっては、それ以上の向上は望めません。
ライティング学習で英語力が伸びる理由
- 英語で考えられるようになる
- 英語で文章を組み立てられるようになる
- 英語での表現力がつく
- 瞬時に英文を作ることができるようになるので、スピーキング力が上がる
- 語彙の理解も深まり、英語の文法的構造が身に付くのでリーディングが早くなる
- 総合的な英語力がつき英語のリズムにもなれるので、リスニング力も上がる
ライティング学習は、総合的な英語力アップの近道と言えるかもしれません。
ライティング学習のポイント
引用元:GATAG
初級者がライティング学習をはじめるにあたって、大切なポイントを紹介します。
1.継続的に続ける
何事にも言えることですが、少しずつでも継続することが一番大切なことです。
2.文法力が不十分な場合は基礎文法を身につける
一通りの基礎文法を学んだら、その後は英文を書きながら、文型や時制など、その都度確認していけば自然と身についてくるはずです。
3.知っている単語や文法で文章を組み立てることから始める
最初は、難しい文法や言葉を使おうとせずに、簡単なことを自分の知っている単語と文法で書いてみてください。
4.英語の文章の構造の特徴を意識する
英文を書く時は、日本語と違う語順をじっくり考えながら英文を組み立ててください。
5.言いたいことを明確にする
主語の後に動詞がくる構造から考えても、英語は重要なことを先に伝える言語です。文章単位で考えた時も英語では結論を先に言います。英語で文章を書くときは、言いたいことまず明確にして、その後説明していくと自然です。
6.答えは一つではないので、神経質になりすぎない
解答例や例文だけがライティングの答えではありません。解答と同じ文章を書くことに神経質になる必要はありません。
英語の基礎ライティングが伸びる参考書20選
引用元:KillAdjectives.com
上記のポイントを意識しながら、実際にライティングを学ぶために使える参考書やサイトを紹介します。英語力全体の底上げ、海外の友人とのメールやSNSでのコミュニケーション、ビジネスレターを英語で書く必要がある、などライティング学習の目的は様々だと思います。
ただ、共通して言えることは、最初は基本的な英文ライティングの勉強が必要になるということです。ライティングを基礎から学べる参考書、レベルアップに向けた参考書、更には、基本的なビジネス英語に関する参考書やライティング学習に役立つサイトなどを紹介していきます。
ライティングを基礎から学べる参考書5選
引用元:GATAG
英語学習では、英文を読むことは多くても実際に書く練習をしている人は、学生でもない限り少ないのではないでしょうか。
見れば簡単に意味がわかる文章でも、いざ自分で書いてみると、スペルミスをしたり、冠詞が抜けてしまったり、案外難しいことに気が付くはずです。まずは、簡単なことから「書いてみる」を目的に、初級者が取り組みやすい参考書を紹介します。
中学校で英語ぎらいになった人のための日本一やさしい英作文
初級者が英作文を書けるようになるためのドリルです。「誰がどうする」という基礎的なbe動詞の使い方から、少しずつ広げて学習を促していきます。
左から右へ反復英作文
中学の基礎文法から始まり、日常基本単語、発展編では、基本で学んだことをうまく繋げて大人の英文が書けるようになることを目標としています。基礎編は1日20分で2カ月、発展編は1日30分として2カ月半で終了できるように作られています。
英語ライティング講座入門
文法項目ごとに構成されていて、初級者にもわかりやすく解説されています。日本語と英語の違いを意識しながら勉強を進めることができます。上の2冊より難しいもの、基礎文法学習を終え、ライティングに挑戦したい人におすすめです。
新・英語で日記を書いてみる―英語力が確実にUPする
日常生活をテーマに日記をつけて英作文をしていきます。基本的な英文の組み立て方や、よく使うフレーズなど、参考にしながら、日常つかわれる英語の表現を学ぶことができ、初級者でもわかりやすい本です。
Twitterで英語をつぶやいてみる
改まって英文を書くことにまだ抵抗を感じる人はTwitterを利用してみてはいかがでしょうか。まず、英語でつぶやいてみるところから始まり、Twitterの特徴を活かしてつぶやきをステップアップできるようになっています。フォローを通じて英語学習仲間も見つけることができます。
どんな本を使うかは、何を目的としてライティングを学びたいのかによりますが、まずはあまり難しく考えすぎず、英語のアウトプットに慣れることを目的に、英文ライティングを楽しんでください。
一歩進んだ英作文を書けるようになる参考書4選
引用元:GATAG
簡単な文章なら書くことができるが、稚拙な文章しか書けないという人が、もう少し自然な英文を目指して学習できる本を集めました。
一歩先の英文ライティング
ネイティブ感覚に近い自然な英語を書くための単語や表現の使い方を学ぶことができます。理解して、確認して、実際に使ってみるというステップを踏んで勉強します。扱われている単語も難しいものではなく、ネイティブが、その単語に対して持っている日本語訳の意味以上のニュアンスを学ぶことができます。
書きたいことが書ける 英語ライティング術
日本人が、文法的には正しいのに言いたいことがネイティブにうまく伝わらない英語を書いてしまう原因を解き明かし、気を付けるべき点を解説しています。日本語と英語の違いだけでなく、それを読み取る日本人とネイティブの受け取り方の違いなど、なかなか気が付けない点を知ることができます。
英語「なるほど!」ライティング―通じる英文への15ステップ
一通りの英作文を勉強した人や英文法の基礎力がある人なら「なるほど!」と読み進めることができます。日本語を英語にしようと思って、自分で難しく考えすぎている部分も、視点を変えれば明確でわかりやすい英文にすることができます。
英語らしい英文を書くためのスタイルブック
いかにも日本語を無理矢理英文にしたような不自然な英文を、自然で簡潔な英文にするヒントを得られる本です。文法的解説はないので、基礎文法、基礎ライティングから一歩進んだライティングを目指したい人向けです。
大学受験でも英作文を取り入れている大学が多いので、高校生から学べる英作文の参考書はたくさんあります。やさしめのものからかなり高度なものまで色々ですので、そういった参考書も利用しつつ、基礎力を高め、自然な英文を目指してください。
ビジネスライティングを学べる参考書3選
引用元:GATAG
インターネットが普及した今、仕事上英語を使う機会も多くなりました。ここでは、基礎的なビジネスライティングに役立つ参考書を紹介します。
基礎から学ぶ英語ビジネス・ライティング
ビジネス英語に必要な実務知識として、基礎的な貿易実務についての解説から始まり、ビジネス英語で使える基本的な文例、英語を使いこなす戦略、ビジネスメッセージの書き方まで、内容は充実しています。
英文ビジネスレター&Eメールの正しい書き方
ビジネスレターとeメールで参考になる文例がたくさん載っているので、実務に直結して役立ちます。書き出し、結びに使えるセンテンスも丁寧に紹介されているので、この本を参考に英文を作成していくことで、ビジネスレターやeメールが自然と書けるようになることが期待できます。
関谷英里子の たった3文でOK! ビジネスパーソンの英文メール術
NHKテレビやラジオでお馴染みの関谷英里子さんの著書です。相手に伝えるために、ビジネスメールで注意すべき基本的なことの解説も交え、短く、簡潔に伝える大切さが解説されています。あらゆるビジネスシーンで使える文例も紹介されていて、参考に英文を書けば、自信をもって英文メールを送ることができます。
英作文が基礎から学べるサイトとアプリ8選
引用元:GATAG
サイトやアプリを利用してライティングを学ぶこともできます。世界中の人とつながって勉強を進めることができるので、英語を学ぶモチベーションも上がることでしょう。無料のものも多いですが、先生にきちんと添削してもらうにはそれなりのコストがかかります。
Lang-8
自分の書いた英語を、ネイティブが添削してくれるサイトです。添削してもらうだけでなく、日本語学習者が書いた日本語を自分が添削してあげることもできる相互コミュニケーションサイトです。ただ、添削してくれるのはプロではなく一般人ですので、その添削が正確かどうかの保証はありません。無料で使えます。
フレーズフレーズミー
問題として出題される日本語の文章を英文にすると、瞬間添削という機能がウェブ上で添削してくれます。無料会員の場合は1日に添削してもらえる数に限りがありますが、単語の綴りはもちろん、文法上の間違いも指摘してくれます。添削は人工知能が行いますので、完璧とはいかない場合もありますが、無料なので手軽に始められます。
英語ライティングプラザ
英作文の練習ができるサイトです。60個の課題文の内容は日常的なものにとどまらず、様々なテーマを扱っています。日本語の課題文を自分なりに英訳し、解答例をチェックします。初級、中級、上級と3種類の解答例が示されます。初級でも、それなりの英文が解答例として示されますが、答えはそれだけではありません。添削してもらえるわけではありませんが、解答例は解答例として勉強材料にして、自分なりに英作文を組み立てる練習ができます。解説もレベル別にされています。
英作文のフルーツフルイングリッシュ
自社で採用したネイティブ(あるいはネイティブレベル)の先生が英作文を添削してくれます。オンラインなので24時間いつでも提出でき、期限がないので自分のペースで進められます。チケットを購入し、コースによって、1回の添削につき1枚、解説付きなら2枚と言うように必要枚数が変わります。
IDIY英文添削アイディー
世界中の英語の専門家が英文添削してくれます。時差を利用して24時間いつでも対応してくれます。どのような文章を添削してもらいたいのか個別に応じでくれます。添削する単語数に応じて、購入したポイントを消費していくシステムです。
The Most Dangerous writing app
ひたすら英語を書くだけの少し変わったアプリです。3分から60分までの時間の長さが選択でき、スタートしたら、その時間内、ただ自分で英作文しながら英文をタイプし続けるだけです。ライティングが途切れると、画面がちらつき、一定時間かけないでいると、そこまでの文章はすべて消えて終わってしまいます。正しい英文かどうかの判断はしてくれませんが、たとえ3分でも英文を書き続けることの難しさを実感できます。強制的に書かされるので、どれだけ書き続けられたのかで、実力アップを計る目安にもなります。
GINGER
英語学習に必要な機能が揃った海外のアプリです。文法やスペルのチェック、辞書、類語検索などがそろっています。英文に間違いを見つけると、その場で文字がハイライトされ、クリックで訂正してくれます。比較的添削の精度も良いようです。全て英語なので、使いこなすには慣れが必要ですが、使い方は難しくありません。
Cambridge English
イギリスのケンブリッジ大学英語検定機構とケンプリッジ大学出版局の研究に基づく英語学習サイトです。Beginnerから無料でライティング練習ができるページがあります。初級者にはeメールを読んで返信を書く問題や、友達をパーティに招待するメールを書く問題などが与えられ、自動で添削してくれます。文法や単語の間違いを直し、複数回提出することができます。内容や体裁についてのチェックはありません。すべて英語ですが、使い方も簡単で、初級者向けは出される問題文もやさしいものなので理解できない心配はありません。
ライティング学習ができるサイトを紹介してきましたが、ライティングの場合は、このサイトの利用法にも考慮が必要です。ただ、英文を書いて自動添削で間違いを指摘されるだけでは、ライティング力が飛躍的に伸びることはあまり期待できないのではないでしょうか。基礎的なライティングの勉強をしっかりした上で、自動添削や有料添削を利用するなど、有効活用して下さい。
ライティング学習について紹介してきましたが、ライティング学習の大切さについて、納得していただけましたでしょうか?ここで紹介したもの以外にも教材やサイトは色々あります。初めは、真似でも構いません。ライティングに使える文例が紹介された本やサイトにある文を真似して英文を書くことから始め、その表現を使い続けることで、だんだんと自分のものにしていくということもライティング力アップのための一つの方法です。様々な方向からアプローチしてライティング力を高めて下さい。