ビジネス英会話と言いますが、ビジネス英会話は通常の会話と何が違うのでしょうか?
ビジネス英会話というくくりがあるのは日本ぐらいで、ビジネス英会話は、通常の英会話の延長線上にあるものです。仕事上の付き合いや取り引き先の相手に失礼にあたらない表現などを学びます。日本にいても、家族、友だち、先生、上司、取引先、お客様など、相手や状況によって自然と言葉遣いが変わってくるものだと思います。
つまり、日本語で言うところの、丁寧語、尊敬語、謙譲語にあたる英語や、ビジネスでよく使われる言い回し、専門分野があればその分野に特化した単語や言い回しを学ぶということです。
- 英語には丁寧語が存在しない【日本語と英語の敬語を比較】
- ビジネスシーンでの英語の挨拶
- ビジネス英会話が学べる参考書13選
- 英会話ペラペラビジネス100 - ビジネスコミュニケーションを成功させる知的な大人の会話術 [CD2枚付]
- 英会話1000本ノック<ビジネス編>[MP3音声付]
- CD BOOK 場面別ビジネス英会話: 決まり表現&シーン別英語実況中継
- 英会話フレーズ大特訓 ビジネス編
- CD付 即戦力がつくビジネス英会話 改訂増補版: 基本から応用まで
- CD付 即戦力がつくビジネス英会話2
- 場面別 会社で使う英会話―きちんとしたビジネス英会話を学びたい人向けの本 (CD book)
- ビジネス英会話 高速変換トレーニング
- NHK CD BOOK 入門ビジネス英語 10億人に通じる! やさしいビジネス英会話 (語学シリーズ)
- そのまま使える基本のビジネス英語 話す Kindle版
- もし海外出張まで、あと1カ月しかなかったら!? ビジネス英語4週間集中プログラム―――会話、リスニング、文法を一気に学ぶ!
- ビジネス英語の敬語 微妙なニュアンスを英語で伝える 状況に応じたレベル別丁寧表現(CDつき)
- 敬語の英語
- ビジネス英語の基礎や向き合い方が学べる本5選
- オンライン英会話で実践学習【オススメをまとめました】
- まとめ
英語には丁寧語が存在しない【日本語と英語の敬語を比較】
よく英語に丁寧語はないと言われますが、そんなことはありません。英語と日本語では、丁寧語の感覚が少し違うのでそう言われるのだと思います。
英語には、日本語のように言い換えによる丁寧語は確かにありません。
おわかりかと思いますが、日本語で言う「丁寧語」は文字通り丁寧な言葉、「尊敬語」は目上の人に対して相手をたてて使う言葉、「謙譲語」は自分がへりくだるときに使う言葉です。
例えば、日本語の場合、「食べる」という言葉は、以下のように使い方で言い換えがおこります。
丁寧語 → 食べます
尊敬語 → 召し上がる
謙譲語 → いただく
改めて日本語って難しいですね。
英語にはこのような変化はありません。英語の場合は表現方法で丁寧さを表すことになります。
レベル別丁寧な表現
英語の丁寧な表現にもランクがあります。
先日、ネイティブの友人と映画を見に行った時のことです。
隣に外国人の男性二人がいました。この二人、映画中におしゃべりをするんです。映画のシーンについて話しているのですが、度々なのでとても気になります。でも、私は言いにくくて我慢していたのですが、見かねたネイティブの友だちが口を開きました。
“Excuse me. Would you mind being quiet?”
少し静かになったのですが、またおしゃべりを始めました。
“Please be quiet.”
それでも、暫くするとまたおしゃべりが始まりました。
そしてとうとう堪忍袋の緒が切れた友人は一言
“Shut up!”
最後はかなり過激な感じで私としてはハラハラしたのですが、これで静かになりました。でも、Shut up! は言い過ぎだったと思います。
例えば「窓を開けて下さい」と言いたい場合の一例を丁寧な表現の順番に並べると下記のようになります。
① Would you mind if I asked you to open the window?
② I wonder if you could open the window.
③ Could you open the window?
④ Would you open the window?
⑤ Can you open the window?
⑥ Please open the window.
⑦ Open the window.
お願いする相手や状況にもよりますが、窓を開けてもらうだけなのに①のように「窓を開けて下さいとお願いしてもお気を悪くされませんでしょうか?(直訳)」までは言いすぎかもしれませんが、日本語訳にした時ほど堅苦しいイメージではなく、Would you maid if ~はとてもよく使われる表現です。
他にも⑤のCanの代わりにWillを使う表現もありますが、Willは相手の意志を聞く表現になるので、「開けてくれる意志はあるか?」と聞くことになります。ですから可能性を聞くCanよりも少し命令調になります。
とにかく丁寧にしておけばいいというわけでもなく、相手と状況によって適切に使い分けることが大切なので、ビジネス英会話を学ぶ時には、このような表現の違いなども学んでいくことになります。
ビジネスシーンでの英語の挨拶
仕事上で初対面の人に会った時、「やあ、元気?僕は〇〇。よろしくね」とは言わないですよね。
かなり昔なので今は変わっているかもしれませんが、私の頃は、「はじめまして」は“How do you do?”と習いました。
決まり文句のように覚えたものですが、日常生活でこの挨拶を交わすことはほとんどありません。カジュアルなシーンでの初対面の場合、 “Hi!”や“Hello”と言って名乗り“Nice to meet you.”と続く場合がほとんどでした。
このHow do you do?は、ビジネスシーンで使われるかしこまった挨拶になりますが、お決まりのフレーズというほどは使われてはいないのかもしれません。アメリカよりイギリスでよく使われる表現です。因みにHow do you do?に対する返答は同様にHow do you do?です。
一般的に初対面の場合、簡単に自己紹介してから、「お会いできて嬉しいです」と下記のように始まることが多いようです。
It’s a pleasure to meet you.
It’s nice to meet you.
I’m pleased to meet you.
最初のIt’sは省略も可能な場合もありますが、ビジネスシーンでは、できるだけ省略しない方がいいかもしれません。でも、すべて決まりがあるわけではなく、全くの初対面の場合、メールなどで何度もやり取りしている場合など、状況やお互いの関係にあった言葉遣いが大切だと思います。
完璧に言葉だけは言えても、相手の目を見ず、笑顔もなく、握手もちゃんとできないようでは意味がありません。
ビジネス英会話を学ぶということは、フレーズだけでなく、世界共通のビジネスマナーを学ぶということでもあるんですね。
ビジネス英会話が学べる参考書13選
ここでは、ビジネス英会話を学べる参考書を紹介します。何冊のも本をあれこれ使うより、まずは自分のレベルにあった気に入った本を見つけ、1冊を繰り返し声に出して練習することが大切です。
英会話ペラペラビジネス100 - ビジネスコミュニケーションを成功させる知的な大人の会話術 [CD2枚付]
テレビやラジオで人気の講師によるビジネス英会話の本です。著者は、「ビジネス英語」というジャンルがあるのは日本だけで、世界のビジネスパーソンは基本的な英語を丁寧に、正確に、そして流暢に話しているだけのことと言っています。難しい表現を使う必要はなく、英文を組み立てることに時間を要し、相手を待たせることの方が許されないとのこと。練習もしやすい作りになっていて、CDもついています。
英会話1000本ノック<ビジネス編>[MP3音声付]
『英会話ペラペラビジネス100』と同じ著者による1000本ノックシリーズです。聞かれたことに、ポーズの間に自分で声に出して練習するトレーニングができる本です。付属のCDには「質問・ポーズ」のパターンと「質問・ポーズ・回答例」のパターンが収録されています。必要以上に難しい内容は求められず、実践的に練習できるところが魅力です。
CD BOOK 場面別ビジネス英会話: 決まり表現&シーン別英語実況中継
中級レベル向けのビジネス英語が学べる本です。ミーティングやプレゼンテーションなどのビジネスシーンだけでなく、為替や円高ドル安、需要と供給などの知識も盛り込まれています。お決まりの必須表現からシーンに合わせた応用力も付きます。日本人の間違いやすい表現などの解説もあります。
英会話フレーズ大特訓 ビジネス編
ビジネス英会話で使われるフレーズを瞬時に言えるようにトレーニングができる本です。日本語から英語でトレーニングします。内容も基礎的なものから商談や接待など高度な会話まで徐々にステップアップしていくので初心者でも勉強しやすくなっています。
CD付 即戦力がつくビジネス英会話 改訂増補版: 基本から応用まで
ビジネス英語の基本書として内容の濃い本ですが、初心者には少し大変かもしれません。実践に基づいた会話を、あらゆるビジネスシーンで学べます。基本フレーズのCDを繰り返し聞いて、後について何度も練習します。
この第一弾で網羅できなかった会話を収録した第二弾も出ています。
CD付 即戦力がつくビジネス英会話2
場面別 会社で使う英会話―きちんとしたビジネス英会話を学びたい人向けの本 (CD book)
さまざまなビジネスシーンに対応した英会話を対話形式で学習できます。よく使うフレーズや決まり文句、発展、応用までが学べる本です。使われてる表現も簡潔なので応用しやすく実践的に学習できます。
ビジネス英会話 高速変換トレーニング
ビジネス英語で必須の80個の基本表現を6000回の言い換え練習でトレーニングすることで、フレーズを応用して使えるようにします。CDの収録時間は8時間にも及びます。聞いて、音読し、話すという3つのステップで学習を進めます。英検2級、TOEIC600点程度の中級者からの学習を推奨しています。
NHK CD BOOK 入門ビジネス英語 10億人に通じる! やさしいビジネス英会話 (語学シリーズ)
NHKラジオ「入門ビジネス英会話」の講師が、この番組の内容を再構成した本です。シンプルで基本的な英語をミーティングやプレゼンなどの48のシーン別に学んでいきます。音声もゆっくりなので、シャドーイングも楽に行えます。ラジオ講座のテキスト6か月分が凝縮されているのでお得感があります。
そのまま使える基本のビジネス英語 話す Kindle版
「なんとか伝わる」英語から一歩進んだビジネス英語を目指す本です。ビジネスシーンによって適したシンプルなフレーズを学べます。
もし海外出張まで、あと1カ月しかなかったら!? ビジネス英語4週間集中プログラム―――会話、リスニング、文法を一気に学ぶ!
海外出張が迫っているのに何からはじめたらいいかわからない!という英語初心者のための4週間で完結するビジネス英語学習プログラムです。本に添って決められた量をこなして、28日後には英語力をアップさせ、不安を自信に返ることが目標です。
ビジネス英語の敬語 微妙なニュアンスを英語で伝える 状況に応じたレベル別丁寧表現(CDつき)
ビジネス英語と言えば丁寧な表現ですが、その丁寧な表現をビジネスシーンに応じで使いこなせるようになるための本です。丁寧度合いを「NG」「カジュアル」「普通」「わりとフォーマル」「かなりフォーマル」と段階別に学べます。
敬語の英語
ビジネス英会話として実践的な内容ではりませんが、英語にも丁寧な言い方があることをこの本は教えてくれます。相手に不快な思いをさせない英語とはどういうものかを学べます。
ビジネス英語の基礎や向き合い方が学べる本5選
ビジネス英会話というと、ビジネスシーンに応じたフレーズを覚えたり、口に出してトレーニングしたりという学習法を考えると思いますが、フレーズだけでなく、ビジネス英語の考え方なども学べる本を紹介します。
一流は、なぜシンプルな英単語で話すのか
ビジネス英語を始める人がビジネス英語の入門書として読むのにお勧めの本です。シンプルな内容で、コミュニケーション力としてのビジネス英会話を学べます。NHKお『入門ビジネス英語』講師が書いた本です。
なぜあの人は、中学英語でもネイティブと仕事ができるのか?
ネイティブのように話せなくても易しい英語で、英語でのコミュニケーションアップをするコツが学べる本です。英語力があるはずの日本人なのに完璧を求めすぎたりする点や、日本人ならではの特徴も世界のビジネスでは少し改善した方がいいという点も学べます。自信を持って「好かれる」「会話が続く」ための易しい英語を使いこなすための本です。
英語の仕事術: グローバル・ビジネスのコミュニケーション
英国出身のグローバル・ビジネスで成功した著者による日本人向けの英語で仕事をするためのスキルが学べる本です。「聴き方」「訪ね方」「プレゼンテーション」「電話会議」などを上手にこなすスキルが満載です。
仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123
英語に苦手意識を持っている日本人ビジネスパーソンに向けて、簡単で手軽なビジネス英語のコツを、英語経験ゼロからキャリアを積んだ著者が教えます。電話への不安や、英語でのプレゼンの恐怖を役立つ123のアクションで克服するコツが凝縮されています。
英語の品格
英語は単純でストレートな言葉と言われますが、著者によればそれは誤解で、能力のある人ほど断る時に婉曲的な表現を使うそうです。Pleaseをつければ丁寧になる、などという間違いを指摘し、日本人の勘違いを正して品格ある英語を目指します。
オンライン英会話で実践学習【オススメをまとめました】
世界中の人を相手にビジネスをしようと思ったら、時には日本人的な感覚を捨て、相手に会わせる必要もあるかもしれません。
英語でビジネスに向き合う心構えやフレーズは本で学べますが、実際にインプットした知識やトレーニング成果をビジネスシーンで上手にアウトプットすることは簡単なことではありません。
頭でわかっていても、いざ人前に立つと思うように話せなかったり、焦ってしまい意図していない発言をしてしまったりするものです。インプット学習と同時にアウトプットする練習もする必要があります。
もちろん本を使って声に出して練習すれば、それもアウトプットではありますが、実践の場で生かすためには、人間相手に知識を使ってみて慣れるまで練習することです。
そこで、その方法としてお勧めするのがオンライン英会話です。
通常のオンライン英会話でもビジネスコースやビジネス専門のテキストが用意されています。スクールにもよりますが、ビジネス英語を教える講師は特別な訓練を積んだ優秀な講師でなければ資格を得られないスクールが多いようです。
通常のオンラインスクールについては、【体験談】オンライン英会話の無料体験を8社受けました。選び方とはをご参照ください。
なぜ、「通常の」オンラインスクールという言い方をするかと言うと、通常ではなく「ビジネス専門」のオンライン英会話スクールがあるからです。通常のオンラインスクールでは、講師には20歳前後の若い学生や主婦もいますが、ビジネス英語のオンラインスクールでは、どこもビジネス経験があるベテラン講師を講師として採用しています。
ビジネスに特化したスクールでは、職種によっての専門性の高いコースが設定されているスクールもあります。ご自分の目的にあったスクールで練習することで、英語を話すことに自信を持てるようになります。
ビジネス英会話に特化したスクールについてはオンライン英会話でビジネス英語を極める【選び方+オススメ11選】で紹介しています。
まとめ
以前アメリカ人に「会社の人と毎日のように飲みに行くなんて理解できない」と言われたことがあります。
同僚と友達は違うというのです。仕事が終わったら早く帰って家族との時間を大切にしたいと言っていました。同僚とのコミュニケ―ションはお酒の席ではなく、仕事の席で取るものだという考え方なんですね。この辺から日本とはずいぶん違いと感じました。
今日、紹介したある本の中に、アメリカで嫌がられるのは、後輩、同僚、上司など相手によって態度や言葉遣いが変わることとありました。相手が社長だからといって、あからさまに言葉遣いを変えたり、後輩だからといっていきなり威張りくさったりするようなことは言葉遣い以前に敬遠される行為だということです。日本では、少なからずそういうところあるかもしれませんね。上司でもファースト・ネームで呼び合うのが英語なので、どんな人にも同じ態度で接することが大切だそうです。
それだけに、日頃の学習段階から品格のある英語を身につけることが必要になってくるんですね。
『英語の品格』という本も紹介しましたが、ビジネス英語は、ビジネスのための英語というより、その人が日ごろからどのような品格ある英語を使っているのかということに尽きるのではないでしょうか。この点は英語に限らず日本語でも同じです。日頃から丁寧な言葉遣いを心掛けておけば、どんな時でも慌てません。
大人になって英語を学ぶ場合、丁寧に英語の基礎を学び、フレーズを覚えるだけでなく、教養を身につけ、多くの英語の本や英語の番組を見てネイティブの自然な表現や、こんな綺麗な表現があるんだ!という表現、或いは大人が使うにふさわしくない表現なども学んでいって下さい。